韓国政府「5ヶ月連続経済不振」判断…日本の輸出優遇措置解除など不確実性拡大

韓国政府「5ヶ月連続経済不振」判断…日本の輸出優遇措置解除など不確実性拡大
韓国政府が韓国経済について5ヶ月連続「不振」と診断した。輸出が8ヶ月連続で下落し、投資も依然として振るわない事がその背景にあると判断した。更に日本の輸出優遇措置解除や米中貿易摩擦の激化なども不確実性を拡大させた要因だと分析した。
韓国企画財政部は16日、「最近の経済動向(グリーンブック)8月号」で、「第2四半期の韓国経済は生産が緩やかに増加したものの、輸出及び投資が振るわない傾向が続いている」と評した。
また「対外的にグローバル製造業の景気など世界経済の成長鈍化及び半導体の業況不振が続く中、最近の日本政府による輸出優遇措置解除や米中貿易摩擦の激化など不確実性が拡大した」との見方を伝えた。
韓国政府がグリーンブックで「不振」と判断したのは今年4月から。これまで半導体の業況が悪化し、輸出や投資が持続的な下落曲線を描いても「調整」との表現を用いて来た。しかし韓国開発研究院などの民間研究機関の韓国経済に対する認識とは相当な差があったため、「韓国経済をあまりにも楽観している」との指摘も受けていた。
企画財政部のホン・ミンソク経済分析課長はこの日のブリーフィングで「第2四半期の国内総生産(GDP)の成長率は前期比で1.1%を記録したが、第1四半期のマイナス(−0.4%)成長を考えると早い回復とは言えない」とし「民間部門の経済活力が低調であることが懸念される。最近2年間、成長を下支えしていた民間消費の増加傾向が鈍化している点を警戒している」と語った。
指標別に見ると、サービス業の生産と消費、建設投資が減少した。6月の生産は鉱工業が前月比で0.2%増加に転じたものの、サービス業が−1.0%と減少した事で全産業の生産も0.7%減となった。
支出は小売販売が−1.6%と縮小した。設備投資は前月の−7.1%から0.4%とプラス転換したものの、建設投資は先月の−0.9%に続き−0.4%と不振が続いている。
7月の輸出は半導体業況の不振が続き、米中貿易紛争長期化などの影響で前年同月比で11.0%の減少となった。これは2018年12月から8ヶ月連続の下落となる。
消費者心理を表す消費者動向指数(CSI)は6月の−0.4%ポイントから7月には−1.6%ポイントに拡大した。企業心理も同様に業績と展望がともに下落した。製造業の企業景気実査指数(BSI)の7月実績は前月比−2ポイントの73で、8月の展望は−4ポイントの71となっている。
現在の景気の傾向を表す景気動向指数の循環変動値と今後を予測する先行指数の循環変動値も前月比でそれぞれ−0.1ポイント、−0.2ポイント下がった。
7月の就業者はサービス業を中心に前年同月比で29万9000人増加した一方、失業率も3.9%と0.2%ポイント増加した。同月の消費者物価は農畜水産物や石油類の価格安定維持などもあって、1年前に比べて0.6%の上昇に留まった。
ホン課長は「日本の輸出優遇措置解除への対応などリスク管理に万全を期し、追加補正予算などの財政出動を加速化して可能な全ての政策手段を動員、投資・輸出・消費の活性化など経済の活力向上を積極的に下支えして行く」と述べた。
翻訳:水野卓
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