「供給過剰」原油市場に米国産まで…価額下落の加速か

「供給過剰」原油市場に米国産まで…価額下落の加速か

‐米国原油生産量10年で2倍に増加
‐年末まで1日の輸出量100万バレル増
‐貿易戦争継続時には原油価格下落圧力に

世界の原油市場が供給過剰状態にある中で、米国産原油までもが市場に溢れ、国際原油価格は下落が続くとみられる。

米経済専門チャンネルCNBCによると、現在の供給が円滑な状態での米国の増産と輸出増加は、貿易戦争が続き需要が抑制された場合、価格下落の圧力になると報じた。

米国の原油生産量は過去10年間で2倍に増加し、日量1230万バレルまで増加した。これまでテキサス州など主な油田で、原油を輸送するためのパイプラインなどの不足していたインフラが、今後相次いで稼働に入る予定で、輸出量を更に増やせる状況になっている。

シティグループは、現在の米国の原油輸出量は昨年に比べ既に9万7000バレル(日量)増加した状態で、新たなパイプラインにより年末までに米国の原油輸出量は日量基準で現在より100万バレル増加した400万バレルまで増えるとみている。

シティのグローバル商品研究理事エドワード・モス氏は「今後予想される米国の原油輸出量400万バレル(日量)は、ブレント油を生産する北海地域の輸出量より多いため、アジアやヨーロッパ、インドなどの地域に販売されるだろう」と話した。シティグループによると、現在米国産原油の最大の輸入国は韓国で、日量65万バレルを買い入れており、ヨーロッパ諸国やカナダ、インドがこれに続いている。

現在、米国南西部地域ではパイプラインの追加埋設とともに、港湾地域での石油船積施設の拡張作業が進められており、輸出量は更に増えるとみられる。シティグループは主なシェールオイルの生産地である南西部ペルム紀盆地のパイプライン停滞問題が解決された場合、2023年にはこの地域だけで日量800万バレルまで生産されるとみている。

この様な原油市場の秩序の変動は、サウジアラビアを含むOPEC会員国とロシアなどの主な産油国にとっては悩みの種だ。財政危機に陥っているベネズエラや、米国の制裁を受けているイランの減産にも関わらず、世界の原油市場は供給過剰状態にあるためだ。バンク・オブ・アメリカの原材料・派生商品研究理事フランシスコ・ブランチ氏は、OPECが過去7年間、毎年1%ずつ市場占有率を失っていると分析している。

シティグループのモス氏は「世界的需要は沈滞発生に関係無く引き続き減少するにも関わらず、米国は産油量増加により徐々に国際原油市場での主導的な役割を果たす様になるだろう」と、「原油輸出量が3年後には日量600万バレルに増加する事で、北海産ブレント油に代わる新たな原油価格のベンチマークになるのは確実だ」と話している。

また「米国はエネルギー純輸出国へと向かっており、エネルギー強国になれれば、米ドルのグローバル基軸通貨としての地位は揺らぐ事はおろか、より強化される」と話した。

CNBCはこの間、シェールオイルを小規模事業者が生産していたため価格急落には脆弱だったが、シェブロンやエクソン・モービルなどの石油メジャー企業が参入した事で、産油量を慎重に調整しており、たやすく崩れる事は無いだろうと報じている。

翻訳:水野卓

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