リアル帰国体験 「東京から釜山へ(2)」…抜け目の無い警戒態勢

リアル帰国体験 「東京から釜山へ(1)」…完全に統制されている韓国

自宅隔離者用の安全保護アプリをダウンロードした上で設定し、個人情報を入力して係員(軍から支援活動に来ていると思われた)に見せると、係員は先ほど測定した体温をアプリに直接入力し、アプリに入力された個人情報が正しいかを確認した。

入力された電話番号が自身の番号であるか、直接電話を掛けて確認するので適当に入力する事は不可能だ。確認手続きが終わると検疫確認証を発給してくれた。

次は隔離通知書と隔離通知書受領証を作成した。入国日から14日間の自宅隔離を指示するもので、これに従わない場合は関連法に基づき処罰される事もあるという内容だった。作成後に隔離通知書受領証を担当職員に提出し、隔離通知書を持ってようやく入国審査場に向かった。

自動出入国審査窓口は閉鎖され、全ての入国者は職員が常駐している窓口で入国審査を受けていた。機内で作成した特別検疫申告書を入国審査台に提出し、税関で申告書を提出して出口から出るまでに掛かった時間は1時間15分だった。

21:00 光明駅から釜山駅へと移動

腹が空いたのでターミナル内で簡単に食事を済ませようと思ったが、そんな小さな望みすら叶えられる事は無かった。出口を出ると、待機していた警察官が目的地と移動手段を確認し、釜山までKTXで移動したい旨を伝えると、付いて来る様にと言った。シャトルバスの乗り場まで、あちこちに防護服を着た警察官が配備されていた。シャトルバスの出発時刻が近いから急ぐ様にとの言葉に、警察官と一緒に走り始めた。

席に座るとバスはすぐに出発した。4月とは思えないくらい肌寒い陽気だったが、換気させるためにエアコンまで点けていたので、バスではなく冷凍車に乗っている気分だった。そのまま40分ほど走り、バスは光明駅に到着した。

光明駅に到着すると、防護服を着た職員らの案内に従って入国者専用窓口に移動し、シャトルバスの費用を決済して、釜山行きのKTXの切符を購入した。KTXが出発するまで1時間ほどあり、何も食べていなかったので何か食べる物でもと思い、職員にコンビニがどこにあるかを尋ねたが、外には出られないという返事と共に、自動販売機に菓子とサンドイッチがあるので、自動販売機を利用する様にとの言葉が返って来た。この時初めて、仁川空港に着いてからここに来るまでの動線が、完全に統制されているという事実に気付いた。

列車出発時刻の10分前になり、集まる様にとの職員の言葉に、列車を利用する海外入国者らが1人2人と集まり始めた。切符には座席が指定されていたのだが、職員の案内によると17号車と18号車のどの座席に座っても良いとの事だった。列車は天安牙山駅、大田駅、東大邱駅、蔚山駅を経て、夜中の1時を少し過ぎた頃、釜山駅に到着した。

01:10 釜山駅で検査実施

釜山駅には防護服を着た市の職員らが待機していて、彼らの案内により、自家用車で移動するグループとトゥリバル(釜山市が準備した専用タクシー)を利用するグループに分かれ、釜山駅前の広場に設置された簡易検疫所へと移動した。本当に抜け目の無い警戒態勢だった。最初は多少イライラしたが、そのイライラはいつの間にか驚きに変わっていた。本当にたくさんの人々が危険を承知で夜遅くまで、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために努力していた。

問診票を作成し、体温を測定した上で検査を受けた。検査は細長い綿棒を口と鼻の奥まで差し込む方法で多少苦痛ではあったものの、すぐに終わった。問診票の作成から検査が終わるまで約15分ほど掛かり、迎えの車に乗るまで職員が付き添っていた。

東京を出発してから12時間で釜山に到着した。入国して釜山に着くまでとにかく時間が掛かり疲れたし、あちこちにいた防護服で重武装した人々やシャッターを下ろした商店など、普段とは違う様子には戸惑ったが、韓国で新型コロナウイルスの感染者が減りつつあり、沈静化しつつある理由が分かった気がした。

文:イ・ドンジュン(株式会社Newin 日本法人ゼネラルマネージャー)
翻訳:水野卓

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