トランプ氏のG7拡大構想…加盟国の反対で難航

写真は首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/

ドナルド・トランプ米国大統領の主要7カ国首脳会議(G7サミット)の拡大構想について、関係国の思惑が複雑になっている。強力に反発している中国との関係はもちろん、新規加盟国に対する牽制も働いている模様だ。新たに加入するには既存加盟国の全会一致が必要なだけに、G7拡大構想は難航が予想される。

トランプ大統領は先月30日、現在のG7(米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、日本)は「時代遅れだ」と指摘し、今年米国が主宰するサミットに韓国、ロシア、インド、オーストラリアを招待したいと述べた。トランプ大統領の思惑はG7からG11に拡大し、米国を中心とする“対中国包囲網”の完成。しかし既存の加盟国から不満の声が出ている。

まず欧州連合(EU)がロシアのG7復帰に反対の意思を表明した。ジョセフ・ボレルEU外務・安全保障政策上級代表は2日、ロシアのG7復帰に反対し、「加盟国と形式を永久的に変えることはG7議長国の特権ではない」と強調した。英国とカナダもロシアのG7復帰を反対すると発表している。

ロシアは1997年G7に合流してG8の加盟国となったが、2014年にウクライナのクリミア半島を自国領として併合した事件をきっかけに退出された。

ロシアも無条件に歓迎するわけでもない。ロシア側は当初、トランプ大統領のG7拡大構想に肯定的な反応だったが、「中国の参加のない会議は意味がない」と慎重な態度を見せた。中国との戦略的パートナー関係を維持しているロシアが米国の“対中国包囲網”に反対したことで、ロシアのG7復帰は実現されない可能性が高い。

新規加盟国の参入に対する牽制も見えている。日本、カナダなどは「一回限りの“拡大”ではないか」という意見を表明している。

日本の茂木外相は、「これまでのサミットにメンバー外の国や国際機関が招待されることも多々あった」と、政治的・外交的に緊張関係であるロシアや韓国の招待に意味付けをしなかった。カナダのトルドー首相も「G7は多くを共有する同盟、友達と一緒に率直な対話を交わすところだった」とし「これからもこういう会議になってほしいのが私の希望だ」と述べた。

中国も反発している。中国外交省は2日、「中国を狙っていじめをさせることでは人の心を得られない」とし「このような行為は、関連国の利益にも合致していない」と述べた。

米国と中国は最近、「新冷戦」と呼ばれるほど激しく衝突している。昨年の貿易戦争に続いて、新型コロナウイリスの感染拡大に対する責任論、香港国家保安法の制定などで葛藤の溝が段々深くなっている。

地図上から見ても、今回のG7会議に招待された国々がG11加盟国に入る場合、中国は米国友好国に包囲されることになる。ロシア、韓国、オーストラリアなどを対象に中国の外交戦が予想される。

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