世界の自動車業界、「テスラショック」にEV車参入急ぐ

いまだ内燃機関に注力している世界の自動車メーカーが、テスラの様な株価を望む株主らに急かされ、EV車開発を急いでいる。しかし市場では、製造メーカーの熱意とは裏腹に、EV車市場がコロナ禍によるガソリン価格低下もあり、少なくとも短期的には停滞するとみられている。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は現地時間19日、業界の言葉として、GMやフォードの様な既存の自動車メーカーが今年下半期にテスラ牽制の意味も含めてEV車を発表すると報じた。

■直面した「テスラショック」

既存の完成車メーカーのEV車転換の流れは以前から続いている。スウェーデンのボルボは昨年の発表で、2025年度までに全世界の売上の50%をEV車で満たす事を明らかにした。フォルクスワーゲンは今年5月、中国のEV車メーカー江淮(JAC)の資本50%を確保した後、これを75%まで増やす計画だ。

WSJはテスラの躍進が完成車メーカーの電気化をより刺激したとの見方。テスラの株価はモデル3の売上好調に後押しされ、今年1年で258%上昇し、今月には時価総額基準で世界最大の自動車メーカーとなった。投資資金もまたEV車に注がれている。

2015年に米国で創業した水素燃料電池トラックのスタートアップ、ニコラの株価は上場5日目となる先月9日、1日で104%の急騰を見せた。この日のニコラの時価総額は、フォードとフィアット・クライスラーの時価総額を超える事もあった。

WSJは、完成車メーカーがEV車に対する投資家らの期待だけでなく、年々厳格化して行く環境基準を充たすという点からも、電気化を急がなければならないとの見方だ。ヨーロッパではノルウェーとオランダ(2025年)を皮切りに、ドイツ(2030年)、イギリスとフランス(2040年)などが内燃機関自動車の販売禁止を掲げている。

GMは今月16日に発行した持続可能報告書で、2023年までに20種のEV車モデルを開発し、テスラの「サイバートラック」に対抗する準大型電気ピックアップトラックを発売すると宣言した。フォードが開発中の電気SUVは今年末に北米で発売される予定で、日産は今月15日の発表で自社初となる電気SUVを公開した。

■短期的な展望は暗く

しかし世界のEV車市場は製造メーカーの期待とは裏腹に縮小する見込みだ。他国籍コンサルティング企業のウッド・マッケンジーは今年4月に発行した予測報告書で、今年のEV車販売量が全世界で130万台と、前年(220万台を)より約43%減少すると予測している。

米国の市場調査会社BNEFは今年5月の報告書で、今年の世界のEV車販売量は史上初めて減少し、前年より18%近く減少するとの見方を伝えた。

WSJは、EV車の価格は各自治体の補助金を受けたとしても、依然として内燃機関自動車に比べ高価で、消費者がコロナ禍で大きな支出を控えている状況でもあると解説した。EV車の強みだった経済性も、最近急激に低下しているガソリン価格のせいで魅力を失っている。

これについてボルボのホーカン・サムエルソンCEOは今年5月、フィナンシャル・タイムズが主催したデジタル・カンファレンスで、EV車分野がコロナ以降、より成長すると断言した。

同CEOは「これから数ヶ月の後、すべての状況が正常に戻り、顧客が代理店を訪れてディーゼル車を問い合わせると考えるなら、とても純真な考えだ」と、「顧客はこれまで以上にEV車について多く問い合わせるだろう」と話している。

BOA(バンク・オブ・アメリカ)のシニア自動車アナリスト、ジョン・マーフィー氏は「今後数年間、350種の新モデルが発売されるだろう」と、「その中の半分は部分的あるいは全体的に電気化されているだろう」と話した。同氏は「今、業界に適当にやろうとの動きは無い。皆がEV車問題を解決しなければならないとの実質的な認識を持っている」と言葉を強めた。

長期的な展望は悪くない。ヨーロッパ自動車製造協会によると、今年第1四半期のヨーロッパのEV車販売量は、全車両販売が急減する中、81.7%増加し、市場占有率も2倍以上増加した。BNEFは今年の市場展望報告書で、2040年には世界の乗用車の内、約60%がEV車になると予測している。

翻訳:水野卓

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