マクドナルドにスターバックスもロシアでの営業停止…ユニリーバはロシアとの輸出入中断へ

欧米企業のロシアからの撤退が相次いでいる。
現地時間8日、世界最大のファストフードチェーン、マクドナルドがロシアにある850店舗の営業停止を決定し、世界最大の食料品・消費材メーカー、ユニリーバもロシアとの輸出入の中断を発表した。コーヒーチェーンのスターバックスもロシアにある店舗の営業停止を発表している。
■ロシア850店舗を営業停止
CNBC、CNN、フィナンシャル・タイムズなどの海外メディアによると、マクドナルドは「ウクライナで起こっている不必要な人的苦痛」に対応すべく、ロシアにある850店舗の営業を一時停止すると発表した。マクドナルドのクリス・ケンプチンスキーCEOは、フランチャイズ・オーナーとスタッフらに送った書簡で、ロシアでの全営業を当分の間停止することを明らかにした。
しかしロシア内のスタッフ6万2000人の給与は引き続き支給され、ドナルド・マクドナルド・ハウス慈善財団も運営を続けるとしている。同CEOは、スタッフの給与は全額支給するとして、スタッフを助けるための基金500万ドルを寄付したと発表した。
マクドナルドは先月24日、ロシアのウクライナ侵攻に沈黙し批判を受けていた。特にロシアでの営業比重が相対的に高いため、意図的に批判をしなかったのではないかとする疑問の声も上がっていた。
マクドナルドのロシア、ウクライナでの店舗営業停止は影響力が大きい。両国での店舗数は全世界の店舗の2%に過ぎないが、売上は9%、営業利益は3%を占めている。特にロシアでの店舗はソ連崩壊の象徴でもある。
32年前、マクドナルドがモスクワで最初の店舗をオープンした数カ月後にソ連が崩壊し、ロシアに自由の風が吹いたとされている。
■ユニリーバ、ロシアとの輸出入中断
CNNによると、世界最大の食料品・消費材メーカーのユニリーバも8日、ロシアからの全ての輸入を中断し、製品の輸出もしないことを宣言した。
石鹸のDove(ダブ)からアイスクリームのベン&ジェリーズに至るまで、家庭で口にしたり使われたりするほぼ全ての製品を製造しているユニリーバも、ロシアでの全ての広告支出を中止すると発表した。
しかしユニリーバは、ロシアで全製品の供給を停止するという意味ではないと伝えている。ロシアで製造され、人々が毎日使う必須食品と衛生製品は今後も供給するとのこと。またロシアではどんな利潤も出さないことを決断した。ロシアでの生産と販売により受ける利潤は寄付するとの意味だとみられる。
■スターバックスもロシアでの営業停止
世界最大のコーヒーチェーン、スターバックスもマクドナルドの営業停止発表から間もなく、ロシアでの営業停止方針を発表した。
スターバックスのロシアでの店舗に直営店は一切無く、全てフランチャイズ経営。スターバックスはマクドナルドの発表から数時間後にロシアの店舗130店の営業を即刻「臨時停止」すると発表した。
これに先立ち、スターバックスは先週、ロシアでの店舗営業を続ける方針を決定していた。しかし止まらない圧力の前に決定を翻し、“暫定的“に営業を停止するとの決断に至った。
スターバックスのケヴィン・ジョンソンCEOは当時、引き続き営業を続ける方針を明らかにしていたが、ロシアによるウクライナ侵攻に対しては批判し、ロシアで得るロイヤリティーはウクライナに対する人道的支援に寄付すると話していた。
翻訳:水野卓
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