TikTokで北朝鮮の日常を公開…北朝鮮当局が運営する広報用アカウント?

短時間の動画を投稿するプラットフォーム「TikTok」に、北朝鮮当局が運営していると思われるアカウントが開設された。
RFA(自由アジア放送)は16日、今月10日、TikTokに「ノースコリアンライフ」というアカウントが開設されたと報じた。このアカウントには16日午前9時基準で計17本の動画投稿があり、動画には平壌の通りや学校など、北朝鮮の日常が映し出されている。
最初の投稿は平壌駅を撮影した17秒ほどの動画で、この動画は39万7000人が視聴している。最も多く再生された動画は、北朝鮮の朝の通りを映した動画で、1800万回以上の再生数が確認されている。この他にも北朝鮮の田舎の様子、金日成広場、繁華街、携帯電話でゲームをする住民の姿などを映した動画が投稿されている。
2014年に脱北し、米国に居住しているグローバルピース財団のイ・ヒョンスン研究員は「TikTokに北朝鮮の日常に関する動画が投稿されたのは初めて」としながらも、「北朝鮮の内部事情が厳しいとの認識を払拭させるための、広報用アカウントの可能性もある」とみている。また「このアカウントが、インターネットの利用が可能な北朝鮮内に住む外国人が運営しているとしても、アカウントに投稿された動画は北朝鮮当局の検閲を経なければならない」と話した。
しかし、米国の民間研究団体スティムソン・センターのマーティン・ウイリアムズ氏は、過去に北朝鮮旅行をした観光客の動画である可能性を提起している。ウイリアムズ研究員は「動画の大半はバスから撮影されたものとみられる」としながら、北朝鮮はコロナ以降、国境を開放したことがないとの点を指摘し、このアカウントに投稿された動画はコロナ以前に撮影された動画だと分析した。
更に「北朝鮮に住む個人がこの様なアカウントを運営するのは不可能なこと」だと指摘し、「北朝鮮当局が投稿した動画であれば、動画の内容がアカウントに投稿された動画とはまるで違うものになるだろう」と解説している。
一方、世界最大のインターネット動画投稿サイト「Youtube」でも北朝鮮当局が運営しているとみられるアカウントに、平壌に住む「ソンア」、「ユミ」などの日常を紹介する動画が継続して投稿されている。米CNNは、ソンアやユミが出演するYoutubeチャンネルについて「この様な動画は北朝鮮に対する国際的評価を刷新するための広報用動画」だと報じている。
翻訳:水野卓
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