コストコのゴールドバーを買い集める米国人…払戻不可なのに何故?
‐FRB来年金利引き下げ示唆、金価格上昇が予想され人気
‐コストコ、過去3カ月間で総額142億円相当のゴールドバー販売
‐コストコ「会員1人につき2個までの限定発売、投資用にはならない」
米国の会員制倉庫型販売チェーンのコストコは過去3カ月の間、総額1億ドル(約142億円)を超すゴールドバーを販売した。1オンス(28グラム)あたり2069.99ドル(約29万5000円)で販売されているコストコのゴールドバーは払戻不可となっており、会員1人につき2個までの限定販売となっている商品だが、米国人はこのゴールドバーに熱狂している。
現地時間15日、米コストコは11月26日が締め日となった会計年度第1四半期で、1億ドル以上のゴールドバーを販売したと発表した。コストコのリチャード・ギャランティCFOは、米経済チャンネルCNBCに「今年の9月から、我々のホームページで1オンス相当のゴールドバーを販売しているが、ゴールドバーの販売が始まって数時間の間にゴールドバーが売り切れとなった」と話した。
ギャランティCFOが話したゴールドバーは、この日もコストコのホームページで1オンスあたり2069.99ドルで販売されている。これは最近の金の現物価格2020.58ドルより高い価格だ。
コストコの会員はコストコのホームページでゴールドバーに対し4.9点の評価を与え、ゴールドバーに満足している様だ。また800件近くのレビューも投稿される程、人気となっている。一部の顧客は州政府の販売税に対する不満まで提起した。
コストコのゴールドバーの人気は、今後も金の価値が上昇するとみられるためだ。今年、金の現物価格は約12%上昇した。また今週、米FRBが来年、3回の金利引き下げを行なう可能性を伝えたことで、金の価格は上昇傾向にある。
金の現物価格の上昇傾向は来年も続くとみられる。JPモルガンが今月初に発表した金価格の展望によると、来年は政策金利が下落するとみられることにより、金の価格は1オンスあたり2300ドルの最高値を記録するとみている。
JPモルガンは「今後数カ月内に、金の価格が1オンスあたり1900ドルまで下がる可能性はある」としながらも、「これは金の投資家らが、来年も金価格の上昇で利益を得る体勢を整えるためのもの」だと話している。
一方でコストコは、会員1人につきゴールドバー2個の限定販売となっているため、ゴールドバー購入を利用した収益創出は難しいと伝えている。
翻訳:水野卓
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