文京区区議会議員として活躍する山田ひろこさん(自民党、63)に会い、文京区の話、そして政治家としての話、女性としての話を聞いた。地域社会で活躍し、貢献する姿は、多くの女性や若者に大きな感動と刺激を与え、地域社会の発展に役立っている。

Q. 自己紹介
1961年に浅草で生まれたおてんば娘です。学生時代には「エースをねらえ」に影響を受け、テニスに熱中していました。1982年に日本IBM株式会社に入社し、役員や外国人秘書を11年間務めました。結婚後は文京区に住み、2人の息子と共に少年野球に夢中になりました。
2001年には子供向けの英会話教室を開講しました。大好きな文京区の未来を創るために役立ちたいと思い、2015年に子育て世帯の応援を受けて文京区議会議員選挙に初出馬し、当選しました。より良い公共政策を目指して、2021年に明治大学大学院公共政策学部に入学し、2023年に卒業しました。
現在は、地域のかかりつけ議員をモットーに3期目を務めており、議会運営委員会委員長も担当しています。

Q. 政治入門のきっかけは?
子どもが生まれた後も職場に復帰するつもりでしたが、子育てにはやり直しがきかないと悟りました。それならば、仕事を愛したように子育ても全力でやりたいと思い、子育てに専念することにしました。
長男が小学校3年生、次男が小学校1年生の時、地元の少年野球チームに入ることにしました。少年野球を通じて、地域の活動に参加する機会が増えました。町会や商店街のイベントに子どもたちと一緒に参加し、私自身も手伝うようになりました。その中で、地域(町会や商店街などのコミュニティ)で子どもを育てることのありがたさを感じるようになりました。
野球を通じて地域と関わった子どもたちは、成長してもその地域を恋しく思い、故郷と感じるようになります。このような連鎖があることに気づき、地域の青少年の育成団体や町会、商店街を応援することの大切さを実感しました。
同時に、自分が運営・指導する英会話教室も15年が経ち、生徒が成果を出すようになってきました。その結果、なぜこのような指導が公立小中学校でも行われないのかと疑問に思うようになりました。区内の公立学校の英語教育が民間に比べて非常に遅れていることを目の当たりにしました。これらの経験を区政で生かすことを決意し、具体的にやりたい取り組みがあることから、政治に関わりたいと思うようになりました。

Q. 地域のかかりつけ議員の活動は?
2期目のスタートは、新型コロナウイルスと共に始まりました。議会は休まず続けられましたが、公務の機会は大幅に減り、世の中はステイホームの状況になり、人前に出ることがなくなりました。メディアは連日、人々の不安を煽る報道をし、国民の不満が募る一方でした。
そんな中で、私は地域の商店街や飲食店を訪れ、彼らが必要とする情報を提供しました。役に立つことはもちろん、現場の声を聞くことができるのは、地域に密着した地方議員だからこそできることです。最も現場に近いところにいるのは我々地方議員であり、彼らの不安を少しでも和らげることが、地方議員としての務めだと実感しました。
これが私のモットーである「地域のかかりつけ議員」の由来です。この理念は、アフターコロナの現在でも変わることなく、議員として住民に最も身近に感じてもらえる活動に重きを置いています。


Q.少子高齢化問題に関して文京区の取り組みは?
日本は、世界でも先を行く長寿高齢化が進む国です。文京区でも同様に、高齢者施策は優先課題の一つです。しかし、幸いなことに、文京区民の健康寿命は毎年23区の中で上位に位置しています。
区民高齢者の健康についての意識調査からは、男性も女性も「栄養や食事に気をつけている」という回答が多いことがわかります。さらに、区ではフレイル予防や認知症予防(エーザイとのPFS事業)、介護予防の取り組みに力を入れています。また、高齢者の社会参画促進にも力を注いでおり、区民の健康意識は非常に高いと言えます。
Q. 女性のワークライフバランスについて,効果的な方法と対策は?
私の場合、最初の職場である日本IBMでの男女平等という雇用環境や職場環境を経験したことが、その後の人生を大きく変えたと感じています。この職場は挑戦心を育んでくれた場所だったのかもしれません。
子育て中は仕事を離れましたが、ネガティブにはならず、子育てをしながらできることに積極的に参加していました。これによって新たな自分を知るきっかけにもなりました。そうすることで、次にやりたいことが見えてきました。また、困難に直面した時でも、それをプラスに考え、軌道修正しながら進んできたように思います。
最初に描いていたキャビンアテンダントという職業とは異なる道を選びましたが、それもまた必要な結果だったのだと思います。現在の仕事は自分にとても合っていると感じています。もちろん、どのステージにも第三者や家族の理解、相談者の存在が大きな支えとなりました。また、余暇には自分の好きなことができる環境も大切だと考えています。

Q. 山田ひろこ応援団TEAM YAMADAは?
「TEAM YAMADA」について特筆すべきは、3期目の選挙戦が女性のみの選挙対策チームで行われたことです。全国的に見ても、このような選対は非常に珍しいと言われました。初出馬の時から、子育て世帯のママさんたちの応援が多く、その多くは少年野球で一緒に過ごした仲間や英会話教室の生徒の親たちでした。
私のマニフェストに掲げた教育改善が徐々に実現していく中で、期待に応えられたと思います。また、現場主義である私の活動が「山田さんに言えばやってくれる」という印象を広めました。こうしてママさんたちの心を掴むことができました。
3期目の選挙では、思い切って女性だけの選対チームを組みました。メンバーの100%が家族を持つママさんで、年齢も40代後半から60代まで幅広かったです。彼女たちは「区にはこの人が必要だ」とよく言ってくれて、私を支えるために集まってくれました。この気持ちがチーム全員に共有され、共感を呼び、新たな支援者を引き込む良い連鎖が生まれました。選挙期間の7日間でそのパワーは日に日に増していきました。5つの部隊のリーダーたち(もちろん女性)には本当に感謝しています。女性だけのチームであることが挑戦意欲を掻き立て、男性中心の政治の世界に立ち向かう勢いがあり、戦いを楽しんでいるようにも感じました。
さらに、3期目の選挙では、私の教育理念に共感してくれた文京区在住の女子大生も選対チームに加わりました。彼女の参加は選対チームにとって大きなサポートとなりました。誰にも遠慮せず、私を当選させることに集中した戦いは、お見事なものでした。


Q. 区内事業者のデジタル化の更なる支援は?
現在、第四次産業革命の荒波が日本を襲っています。全ての分野がITと連動して新しいビジネスモデルを作り、効率性と利便性を向上させ、経済性を高めています。しかし、日本は行政分野をはじめ、DX化において遅れを取っているのが現状です。これは区内だけでなく、国家レベルの課題でもあります。
一方、隣国である韓国は、かつて封建王朝の朝鮮国を日本が合併して近代化させ、国家統治構造や行政、医療、教育、産業など、ほぼ全てが日本と同じ制度や構造を持って発展してきました。しかし、この20年の間に、韓国はITを徹底的に取り入れ、ITによる国家改造を強力に進めてきました。その結果、国連の電子政府ランキングでも1位、2位を争うほどの情報化先進国となっています。
私も、日本の各分野における情報化の方向性を学びたく、この夏に韓国の情報化社会を視察してくる予定です。
Q. 文京区のために本当にやりたいことは?
文京区は「文の京(ふみのみやこ)」とも呼ばれる地域です。公立の小中学校でもこれほどのことができるのかと思わせるような、先進的な教育指導を推進したいと考えています。


Q. 女性議員として,日本の女性に,次の世代に伝えたいことは?
女性が次の世代に何を伝えるかというよりも、社会全体の働く環境が男女平等に整備されることが必要です。なぜなら、彼女たちが最初に働く職場が、その後の人生に大きな影響を与えるからです。これは日本の女性だけでなく、私の選挙対策チームでも明らかであり、女性には男性にはない特別な資質があるのに、それを十分に発揮できる機会が少ないのです。
次の世代について言えば、発想や物事の捉え方に柔軟性がある若者に対して、「挑戦すること」と「問題意識を持って課題に取り組む気持ち」を育んでほしいと思います。

Q. 平日・週末まで地域住民と会う際の健康管理の秘訣とは?
私は身体を動かすことが好きです。ラジオ体操に参加したり、時間の合間にウォーキングをしたり、近所のゴルフ練習場で1時間ほど打ち込んだりしています。また、仲の良いママ友と交流することも楽しみです。休日には友人たちと旅行に行くなど、オンとオフをしっかり切り替えています。
Q. 家事と区議会仕事を両立する秘訣は?
家事が疎かになりやすいのは当然です。だからこそ、家族の理解を得ることが最も重要です。
Q. 最後に,日韓関係の改善のために必要なことは?
日本と韓国は古来から地理的にも経済的にも深い関係にあるはずです。しかし、現実にはその関係がうまくいっていないことも多いです。私は、両国の関係をより良い方向に進めるためには、まずお互いを正確に知ることが重要だと思います。
私の周りには日本に住む韓国の友人が多く、彼らは日本が大好きだと言います。彼らは間違いなく「親日派」ですが、「知日派」という表現もあります。おそらく、今の韓国では「親日派」と公表するのは難しいのではないかと思います。
歴史的な問題の伝え方によって、現在の日本と韓国は「近くて遠い国」というイメージがあります。しかし、お互いの考え方が違うことを前提に、その違いを理解し合えば、より親しみを感じる関係を築けるのではないかと思います。

筆者紹介
ソン ウォンソ
2002年日本政府文部科学省奨学生として来日.
筑波大学大学院生命環境科学研究科修了.博士(理学).
秀明大学学校教師学部専任講師
韓国政府民主平和統一諮問会議グローバル特別戦略委員会委員
山田ひろこ議員の応援サイト
https://www.yamadahiroko.com/teamyamada














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