よみうりランド（東京都稲城市、川崎市）で長年親しまれてきた「大観覧車」が、2024年1月13日をもって運転を終了し、44年の歴史に幕を下ろす。同園には別れを惜しむ多くの人々が訪れ、感謝の気持ちを寄せ書きに込めている。
大観覧車は直径約60メートルで、4人乗りのゴンドラ46台を備え、約11分で1周する。1980年4月に運転を開始し、最頂部からは都心のビル群や富士山を一望できることから、多くの来園者に愛された。昨年、開園60周年を記念して新観覧車「Sky-Go-LAND（スカイゴーランド）」が完成し、10月から営業運転を開始。大観覧車と並ぶ「ツイン観覧車」として、しばらくの間来園者を楽しませてきた。
大観覧車の維持管理を担当してきたよみうりランド安全管理課の戸枝栄一課長補佐（59）は、「大観覧車は遊園地の優等生。私たちを困らせることなく頑張ってきてくれた」と語る。2012年には大規模な全塗装工事と非破壊検査を行ったが異常はなく、日々の点検でもゴンドラや油圧タイヤの破損を念入りに確認してきたという。「正しくメンテナンスすれば、それに応えて動いてくれる」と愛着を込めて話した。
しかし、ゴンドラに空調設備がなかったり、バリアフリー未対応であったりと設備は旧式であり、新観覧車へのバトンタッチが決定。運転終了後は解体され、一部の設備は販売も予定されている。戸枝さんは「最後まで安全にお客様に楽しんでいただきたい。解体後に寂しい気持ちが湧いてくるかもしれない」と胸の内を語った。
同園では今月4日から、来園者がゴンドラに寄せ書きできるイベントを実施中。「44年間おつかれさまでした」「幸せをたくさんありがとう」といった惜別のメッセージが書き込まれている。
7日に来園した東京都府中市の中学生は、「今までありがとう！ いつまでも忘れない」と記し、「3歳の頃から何度も乗った。名残惜しいけれど、今までの感謝を書いた」と話した。
44年間、数多くの思い出を乗せて回り続けた大観覧車。最後の1日まで、多くの人々の心に深く刻まれるだろう。
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