江藤拓農相は7日の閣議後記者会見で、コメ価格の高騰を受け、政府備蓄米をできるだけ早期に放出する方針を明らかにした。早ければ来週にも、放出する数量や価格などの詳細を公表する予定だ。政府備蓄米の放出は、コメの流通円滑化を目的として行われるもので、実施されれば初のケースとなる。
価格高騰に危機感 消費者の選択肢狭まる懸念
江藤農相は「これ以上コメの価格が高騰すると、消費者がコメを選ばなくなる」と述べ、危機感を示した。
備蓄米の放出が決まれば、全国農業協同組合連合会(JA全農)などの集荷業者に売り渡す形となる。供給量の増加によって、市場での価格引き下げが期待される。一方で、市場に過剰な供給が発生し、価格の急落を招くことを防ぐため、1年以内に放出量と同等のコメを買い戻す条件が設けられる。
流通円滑化へ方針転換
農林水産省はこれまで、大凶作などの非常時に限り備蓄米の放出を認めていたが、1月末に基準を変更。「円滑な流通に支障が生じる場合」も放出対象とする方針へと転じた。当初は実施の可否が未定だったが、江藤農相は今回、正式に放出を決定した。
2024年産米の生産と流通状況
2024年産米の生産量は、前年に比べて約18万トン増加。一方で、JA全農などの集荷量は昨年12月末時点で約21万トン減少しており、市場の需給バランスに影響を与えている。政府の備蓄米放出が、価格の安定につながるか注目される。













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