2025年度予算が衆参両院での修正を経て成立した。石破茂首相にとって国会最大の山場を越えた形だが、依然として課題は山積している。企業・団体献金見直しや選択的夫婦別姓制度といった重要案件が控える中、政権は「政治とカネ」問題で揺れ、野党は夏の参院選をにらみ攻勢を強めている。与党内からも首相に対する不満が噴出し、政局の緊張感は一層高まっている。
石破首相は3月31日夜、記者団に対し「熟議の国会らしい役割がいかんなく発揮された」と予算成立を振り返った。与党は衆院での過半数を持たず、国民民主党や日本維新の会と修正協議を重ねた結果、高校無償化を柱に維新との合意に至り、衆院通過を実現した。
だが、参院審議に入ると、首相は高額療養費制度見直しの凍結を表明。これはがん患者団体からの直訴を受けたものだったが、自民党の森山裕幹事長は衆院通過前から凍結を進言しており、判断の遅れに対し「ぶれぶれだ」と党内から不満が漏れた。
さらに、首相が3月に新人議員15人と会食した際、1人10万円の商品券を配布していた事実が発覚。「政治とカネ」問題が再燃する中、首相が予算審議中にもかかわらず強力な物価高対策の必要性に言及したことで、政権の一貫性にも疑問符がついた。
与党は最終的に、首相出席の集中審議を約40時間積み上げた上、旧安倍派幹部の参考人招致にも応じ、野党から予算成立への理解を取り付けた。自民幹部は「もう一度同じことをやるのは無理だ」と述べ、疲労感をにじませた。
予算成立は野党の対応にも助けられた側面がある。立憲民主党は世論の反発を考慮し、対決姿勢を控えたほか、維新や国民民主も修正協議に前向きだった。ただ、6月の東京都議選や夏の参院選が近づく中、野党の攻勢は今後強まる見通しだ。
最初の焦点は企業・団体献金の見直しとなる。3月末に与野党は結論を出すことで合意していたが、自民党の「公開強化」案、立憲民主や維新の「原則禁止」案、公明党・国民民主の「規制強化」案はいずれも採決に至らず、4月以降も継続審議となる。
自民は、公・国案を取り込みながら規制緩和の方向で決着を狙うが、3月31日に3党間で合意された案には、維新の前原誠司共同代表が「国民を愚弄するような合意だ」と強く反発。野党の対決姿勢は一段と鮮明となった。
さらに、選択的夫婦別姓制度を巡る議論も政局化の様相を呈している。立憲民主党は導入法案の採決に踏み切る構えで、自民党内の意見対立をあおる狙い。野田佳彦代表は内閣不信任決議案の提出にも言及しており、今国会の後半戦は一層の緊張が予想される。
自民党内でも不満は広がっている。参院改選組を中心に首相退陣を求める声が上がりつつあり、「ポスト石破」とされる小林鷹之元経済安保担当相は3月末、国会内で勉強会を開催。約50人が参加し、政局をうかがう動きが表面化した。
石破首相は4月1日で政権発足から半年を迎え、「一日一日が真剣勝負だ」と語ったが、与党幹部は「一難去ってまた一難」と苦しい胸の内を漏らした。

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