スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は28日、2024年の世界の軍事費(一部推計)が前年比9.4%増の2兆7180億ドル(約390兆円)に達したと発表した。増加は10年連続であり、統計を開始した1988年以降で過去最高額を更新した。世界全体の増加率も東西冷戦終結後で最大となった。
欧州(ロシアを含む)の軍事費増加が全体を押し上げる形となった。SIPRIの報告書によると、軍事費の上位5カ国は米国、中国、ロシア、ドイツ、インドであり、これら5カ国だけで世界全体の約60%を占めた。
欧州に限ると、軍事費は前年比17%増の6930億ドルとなり、マルタを除くすべての国で支出が増加した。特にドイツは、2024年に新たな軍事計画を始動させたことにより28%増の885億ドルに達した。SIPRIは、ロシアの脅威や、米国が欧州防衛への関与を低下させるという懸念が欧州諸国の軍事費急増を促したと分析している。
ロシアの軍事費は前年比38%増の推計1490億ドルに達し、2015年と比べてほぼ倍増した。一方、ロシアの侵攻を受けるウクライナの軍事費も2.9%増の647億ドルとなった。













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