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「能動的サイバー防御法」成立 警察・自衛隊に攻撃元サーバーへの侵入権限付与

サイバー攻撃を未然に防ぐための「能動的サイバー防御」の導入に向けた関連法が16日、参議院本会議で自民、公明、立憲民主、日本維新の会、国民民主などの賛成多数により可決・成立した。共産党やれいわ新選組などは反対に回った。

この法律は、2022年末に策定された国家安全保障戦略で「能動的サイバー防御」導入方針が盛り込まれたことを受け、政府が2024年6月に設置した有識者会議の提言を踏まえて、2025年2月に閣議決定された。

成立した関連法では、政府が平時から通信情報を監視し、電気・鉄道などの基幹インフラへの攻撃の予兆を察知した場合、警察や自衛隊が攻撃元とされるサーバーへ侵入し、無害化措置を講じることが可能となる。運用にあたっては独立機関である「サイバー通信情報監理委員会」が監督し、国会への報告を行うことも義務付けられる。

また、インフラ事業者にはサイバー攻撃を受けた際の政府報告が義務化される。

先に行われた衆議院での審議では、野党の主張を一部取り入れ、通信の秘密(憲法21条)の尊重、監理委員会による国会報告の具体化、法施行後3年以内の見直し規定などが法文に盛り込まれた。

法の施行により、国家主導でのサイバー防衛体制が本格的に始動する見通しだが、民間の通信監視やプライバシーへの影響を懸念する声も根強い。

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