農林水産省が26日に受付を開始した政府備蓄米の随意契約販売(通称「小泉米」)が、予想を上回る勢いで企業から申し込みが殺到している。小泉進次郎農相が示した5キログラム2160円(税込み)という低価格で販売が期待されているが、肝心の精米作業が追いついておらず、早期販売の見通しは不透明な状況だ。
27日午前9時時点では19社、計9万824トンだった申し込みは午後2時には33社に急増、同日夜までには約70社、合計20万トン規模に達すると見込まれている。
アイリスオーヤマは既に1万トンの申し込みを完了し、29日の受け渡しに向けて迅速な支払い準備を進めている。ミスターマックス(福岡市)も5キログラム1000円台(税抜き)という破格の価格設定で消費者への提供を計画する。
一方で、各企業は玄米の精米作業がネックになっている。ゼンショーHDは傘下のスーパーで6月中の販売を目指すが、既に自社精米工場は容量が限界に近づいている。カインズも精米作業を外部委託する方針で、店舗では玄米販売も検討するなど対応を急ぐが、現場では「既にパンク状態だ」と悲鳴が上がっている。
農林水産省は6月初旬の販売開始を目標に掲げるものの、急激な需要増加に精米作業が追いつかない現実に直面しており、消費者の手にいつ届くのかはまだ見通せていない。













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