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日本政府「備蓄米」無料提供しない理由とは…非常時も売却前提の仕組み

小泉進次郎農林水産大臣が6月10日に備蓄米20万トンを随意契約で売却すると発表したが、凶作や巨大地震などの非常時でも備蓄米が無料放出されない根本的な理由は、その制度設計自体が「民間への売却」を前提としているためだ。

備蓄米制度は1993年の「平成の米騒動」をきっかけに95年から導入。当時の米不足で外国産米を緊急輸入したが評判が悪く、以降は備蓄制度を整備した。導入当初の「回転備蓄」は期限後に主食用として市場に放出されていたが、米価暴落を招いたため、2011年度以降は期限後の備蓄米を非主食用として飼料等に売却する「棚上備蓄」へ移行した。

今回の売却分は主に2020年産米で、市場価格は5キロ1700円程度に下がる見通し。この20万トンの売却で備蓄残量は約10万トンになる見込み。非常時でも無料放出が制度的に不可能なため、今後の制度運用や改革には農水省の手腕が問われる。

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