高市首相の台湾有事に関する国会答弁をめぐり日中関係の緊張が高まる中、外務省の金井アジア大洋州局長が18日、北京で中国側と協議に臨む。金井局長は17日に現地入りしており、18日に中国外務省の劉剄松アジア局長と会談する予定だ。
金井局長は高市首相の発言が日本政府の従来立場を変更するものではないと説明する構えで、中国側に理解を求める方針だ。一方、中国は発言撤回を強く要求しており、協議が平行線に終わる可能性も指摘されている。
金井局長はさらに、薛剣大阪総領事によるSNS投稿に対し正式に抗議し、説明を求める見通しだ。中国側は日本批判の論調を強めており、緊張改善の兆しは見えていない。
中国外務省報道官は17日の会見で、南アフリカで今週開催されるG20首脳会議で李強首相が高市首相と会談する予定はないと述べ、発言撤回を改めて要求した。
こうした外交摩擦は民間交流にも影響を及ぼし始めている。毎年開催されてきた日中民間対話の場「東京－北京フォーラム」は、中国側の通告により延期が決定した。中国メディアは、北京の旅行会社が日本向け新規ツアーの受付を停止したと報道し、中国で公開予定だった日本映画「クレヨンしんちゃん」シリーズも公開延期になったと伝えている。
観光業や文化交流など幅広い分野で波及が広がる中、日本大使館は現地邦人に対し安全確保を呼びかけた。中国メディアが連日日本批判を続けている状況を踏まえ、多くの日本人が集まりやすい場所を可能な限り避けるよう注意を促している。
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