第2のフランス革命?マクロン大統領が白旗…改革路線は維持

第2のフランス革命?マクロン大統領が白旗…改革路線は維持

昨年の就任以降、帝王的国政運営でヨーロッパの中に巨大なフランスを夢見ていた、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が、革命を彷彿させる「黄色いベスト」のデモ隊に白旗を掲げ、これまでの緊縮政策を大幅に取り下げる事になった。ただし、マクロン大統領は自身の改革路線は諦めないとして、今後に火種を残した。

大統領は、4回目の黄色いベストデモが発生してから2日後となる10日、生放送された国民に対する演説で、自身が国民の意見をしっかり聞いていなかったと謝罪した。大統領は13分程の演説で、「たくさんのフランス国民が一様に怒りを感じていた」と、「集会の初期局面できちんとした答えを出せず、安易な発言で国民を傷付けてしまった。責任を痛感している」と述べた。

■福祉削減白紙化、最低賃金引き上げ
今回の演説でマクロン大統領は、来年1月から、現在手取りで月1185ユーロ(約15万円)の最低賃金を100ユーロ引き上げ、更に超過勤務手当に課される税金を無くす事を明らかにした。また、来年から退職者らに適用される社会保障寄与金の引き上げ(1.7%)から、月収2000ユーロ未満の退職者は除外するとした。

マクロン大統領は、既に今月1日の3回目のデモ直後に、黄色いベストデモの導火線となっていた、油類税の追加引き上げ案を取り下げている。しかし今回のデモで争点となっていた、富裕税(ISF)の復活は拒否した。

■大統領の「皇帝気取り」、革命魂に火をつける
パリ政治学院のトマス・スネガロフ政治学教授は、「黄色いベストのデモ隊に、マクロン政権退陣を求める声が大きくなっている」と、「人々は‟王の首を斬らなければならない”という、フランス革命の雰囲気を醸し出している」と指摘した。

歴代最年少で当選したマクロン大統領は昨年、国家的非常事態でないにも関わらず、ベルサイユ宮殿に全ての議員を呼び、就任記念演説をした。マスコミは「皇帝気取り」をしているとマクロン大統領を非難した。また今年9月には働き場を求める失業者に、「道の向こうに散らばっている」と、非現実的な言葉を発し問題となっていた。ニューヨーク・タイムズは、「マクロン大統領がただただ自身の最側近らとばかり疎通している」と指摘している。

更にマクロン大統領は、国内の懸案よりもナポレオンやかつての絶対王政の様に、ヨーロッパ内での影響力拡大に力を注いでいる。大統領はヨーロッパ防衛軍創設、ユーロ圏(ユーロ使用19ヶ国)共同予算構築などを主張し、影響力が薄まりつつあるドイツに代わって、ヨーロッパのリーダーになろうとしている。

こういった国政運営に国内で不満の声が高まっているが、海外メディアは黄色いベストデモが、フランス革命の様にはならないだろうと見ている。マクロン大統領には、まだ3年も任期が残っており、議会でも圧倒的な勢力を誇っているためだ。なお、最後に行われた4回目のデモの参加者は13万6000人で、29万人が通りに現れた先月の1回目のデモに比べ、半分以上減少した。

翻訳:水野卓

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