“伝統の趣”を失う韓国観光地・仁寺洞…「人は多くても、誰も買ってくれないよ」

“伝統の趣”を失う韓国観光地・仁寺洞…「人は多くても、誰も買ってくれないよ」

-工芸品職人「韓国の伝統品で溢れていた仁寺洞の姿はもうない」
-流動人口が売り上げに繋がらない厳しい現実
-訪問客「仁寺洞の特徴を活かした新しい店が必要」

赤い韓服をまとったハン・ソヒさん(21)は、2月13日にソウル・仁寺洞(インサドン)を訪れた。隣には、数年前に韓国でホームステイ生活を送っていたという日本人のリサさんも一緒だった。

ハンさんは幼い頃から仁寺洞が好きで、可愛らしい工芸品と情緒豊かな町並みを歩くのが彼女の趣味だった。一方のリサさんも過去に訪れた仁寺洞が忘れられず、今回再び訪問することになったという。

しかし、この日仁寺洞を観光していたハンさんは徐々に変わりゆく街の姿を心配していた。まだ若いハンさんから見ても、仁寺洞の姿はあっという間に変わっていったようだ。

数十年間にわたり仁寺洞通りを守ってきた書道用品店や時計店などが立ち退いた場所には、国籍不明のアクセサリーや土産物店、洋服店が並んでいる。韓国の趣に満ちていた空間は、今や様々なジャンルの廉価製品たちで溢れていた。

■「伝統品の販売のみではテナント料を払えない」
工芸品店で働くAさんは「街の雰囲気が変わってから、以前のように商品が売れなくなった。以前は一万円ずつ使っていた日本人も物を買わなくなり、ただ百円のホットクを一枚食べていくだけだ」と苦笑した。

さらに「3~4年前と比較すると、売り上げは約半分。しかしテナント料は依然として高く人件費も上がっている」と語り、仁寺洞の多くの店が置かれている苦しい状況を明かしてくれた。

Aさんによると、テナント料を支払うため当面の売り上げを確保しなくてはならない店舗たちは、廉価の中国製品などを売って稼ぐしか手立てがないのだという。

洋服店で働くBさんもまた、同様の見解を示した。「以前は仁寺洞といえば格式高く趣のある場所だった。それが今や明洞などと大差がないように感じる」と寂しさをにじませた。

■ 一つ二つと消えていく仁寺洞の老舗たち
仁寺洞を昔から見てきた商人たちは「韓国の伝統品を求めてこの街を訪れる人は今後もういないだろう」と話す。

1969年に仁寺洞で画廊を始めたというCさんは「様々な店が分別なく入り混じった現在の仁寺洞。実際に絵画を購入しに訪れるのは昔から馴染みの常連客だけだ」話した。

この画廊を訪れたのは夜遅い時間帯だったが、この日は一点の売り上げも無かったという。

陶磁器店を営むDさんもまた、事情は変わらない。毎日午前10時30分から午後8時30分まで通しで10時間も働くというDさんは「一日に少なくとも百万ウォンでも売り上げがあれば、テナント料を支払い個人的な利益も得ることができる。しかし今日も売れたのは陶磁器一点のみだった」と苦しさを語った。

■訪問客「多様性のない土産品を買いたいとは思わない」
平日の午後にもかかわらず、仁寺洞は多くの人で溢れていた。しかし人々に購買意欲があるのかと問われれば、答えは「ノー」だ。

デート中だった20代のカップルは「食べ歩き以外で何かを買う予定はない」と答えた。理由を聞くと「売っているものが皆一様で、購入したいと思える品物がない」とのこと。

またこの日、仁寺洞を訪れた20代のEさんは「新しいお店からは仁寺洞らしさが感じられず残念。伝統的な品物を現代の感覚に合わせて販売するような店があれば訪問客も増えるのに」と話した。

翻訳者:M.I

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