韓国・済州、宿泊施設の空室が急増…その理由は?

韓国・済州、宿泊施設の空室が急増…その理由は?
‐客室の過剰供給に観光客減少…今年1月だけで 66の宿泊施設が廃業
‐今後は無許可営業の取り締まり強化も
韓国の代表的な観光地である済州の観光宿泊業界が窮地に立たされている。限韓令の影響がまだ色濃く残っているにも関わらず、ホテルなどの宿泊施設は雨後の筍のように増え続け、現在では存廃の帰路に立たされている。
済州特別自治道の集計結果によると、島内の宿泊施設数は5180軒で、客室は7万1790室であった(1月末基準)。2013年の2292軒・3万6335室と比較すると、5年間で施設数は126.0%、客室数は97.6%もの増加となる。
業種別に見ていくと▷観光宿泊業416軒・3万2195室 ▷ペンション業 97軒・•857室 ▷一般宿泊業783軒・2万6087室 ▷民宿業 3865軒・1万1809室 ▷ユースホステル19軒・842室だ。
観光宿泊業においては、2013年の194軒・1万7617室と比べて施設数は114.4%、客室数は82.7%増加している。
一方で済州を訪れた観光客数だが、2016年に1585万人を記録して以降は2017年に1475万人、昨年には1433万人と2年連続で減少傾向を見せている。
■ 遊客狙いの客室拡大、後遺症は大きい
中国政府のTHAAD(高高度迎撃ミサイルシステム) 報復前、中国人団体客(遊客・ユウカー)が最も多かった時期に営業許可を受けた宿泊施設が相次いでオープンした。その影響で供給過多となっている現状は、当分の間続く見通しだ。
経営難による施設の休業・廃業も後を絶たず、今年 1月だけでも合わせて66件に上る。民宿が56件と最も多く、続いて観光宿泊業4件、ユースホステル3件、ペンション業2件、一般宿泊業1件という順だ。
済州当局は業界の再生のため、不法宿泊施設の取り締まり強化や宿泊業者の需給管理を行っていくという。老朽化した施設には業種転換を呼びかけ、着工・竣工前の施設については行政的に処分措置を下す方針だ。また、無許可営業の施設についても行政や自治警察、済州島観光協会主管で取り締まりを行いながら常時監視体制を整えるという。
翻訳者:M.I