ボルトン補佐官「米朝ハノイ交渉は失敗ではない」

ボルトン補佐官「米朝ハノイ交渉は失敗ではない」

‐「バッドディール」より「ノーディール」が米国の利益にかなう
‐非核化が無ければ対北制裁解除は無い

先月28日に決裂で終わった2回目の米朝首脳会談で、米国は自らが求める非核化の要求項目を含んだ、「ビッグディール」文書を北朝鮮側に渡していた事が分かった。この文書には、核などの大量破壊兵器の放棄と、これに伴う経済的な見返りに関する内容が込められている。

米ホワイトハウスのジョン・ボルトンNSC(国家安保会議)補佐官は3日、米国メディアとのインタビューで、北朝鮮に対しビッグディール文書を渡していた事を明らかにし、「今回の2回目の米朝首脳会談を、失敗とは見ていない」と強調した。ボルトン補佐官は、米国内で対北超強硬派として知られる人物。

ボルトン補佐官は、「ドナルド・トランプ米国大統領は会談を進めながら、ビッグディール、つまり非核化を北朝鮮に要求し続け、核と化学兵器、弾道ミサイルを放棄する決断を迫り、その対価として壮大な経済的未来を持つ事が出来る事を伝えた」と話した。

また、北朝鮮が提示した寧辺(ニョンビョン)の核施設廃棄については、「かなり制限的な譲歩であり、老朽化した原子炉、ウラン濃縮施設、プルトニウム再処理施設の廃棄が込められていただけ」だったと評し、当時米国は、北朝鮮の金正恩国務委員長にビッグディールを要求したものの、説得出来なかったと話した。

ただしボルトン補佐官は、今回の首脳会談が「ノーディール」で終わった事については、「米国の国益が守られた会談だった」と、「失敗したとは考えていない」と話した。これは、中身を伴わない合意をする「バッドディール」よりは、むしろ「ノーディール」の方が良いという事だ。

更に「首脳会談の決裂により、米朝対話の扉が閉ざされたのではないか」との質問には、「トランプ大統領は1回目の米朝首脳会談に続き、ハノイでも扉を開けていた」と、「北朝鮮は扉から入る事が可能で、それは彼らに掛かっている」と答えた。

北朝鮮が誠意を持って再び動き出せば、改めて対話を行い、交渉を続けて行く意志はあるものの、米国がビッグディール、非核化に関する考えを今回のハノイ交渉で明確にしただけに、再び「扉を開けるための」北朝鮮の努力は、これまでとは違う物にならなければならないと、間接的に話したと見られる。

対北制裁についてボルトン補佐官は、「船舶間の積み替え(瀬取り)が出来ない様に、より厳しい対応策を考えており、他の国々とも、北朝鮮に更に圧力を掛ける様、対話している」と、北朝鮮の非核化があってはじめて、制裁解除が成される事を明確に提示した。

翻訳:水野卓

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