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USスチールの先行き不透明、日本製鉄による買収阻止に批判の声も


日本製鉄が買収を計画している米鉄鋼大手USスチールの将来に対する懸念が高まっている。欧米メディアによると、バイデン米大統領は買収を阻止する意向を示しており、これによりUSスチールが経営再建を迫られる可能性がある。

USスチールは、1901年に創業した老舗企業であるが、海外からの安価な鉄鋼の流入やコスト高、施設の老朽化により競争力が低下。近年は赤字に陥ることが多く、昨年の夏には売却を決断し、複数の候補の中から日本製鉄を選んだ。

しかし、全米鉄鋼労組(USW)はこの買収に反発しており、11月の大統領選挙を控え、労働組合の支持を得たい民主党のハリス副大統領や共和党のトランプ前大統領も反対を表明。これにより買収が不成立に終わる可能性が高まり、経営への懸念が再燃した。米国株式市場では、USスチールの株価が1週間で約18%も下落している。

USスチールは、買収が実現しなければ、高炉施設や雇用の維持が困難になると指摘しており、東部ペンシルベニア州ピッツバーグの本社を維持できなくなる可能性もあると警告している。また、ブルームバーグ通信によると、USスチールが事業や資産を売却する可能性が市場で取り沙汰されている。

バイデン大統領は、国家安全保障上の理由で買収計画を阻止する方針だとみられるが、選挙を前にした労組への配慮が強く影響していると指摘されている。元商務長官のグティエレス氏は米CNBCテレビのインタビューで「これは経済や安全保障の問題ではなく、政治的な理由によるものだ。USスチールとその労働者にとっては壊滅的な結果を招くだろう」と厳しく批判している。

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