世界が「チャイナ・マネー」を警戒中

世界が「チャイナ・マネー」を警戒中

世界の買収・合併(M&A)市場で、中国資本の流入を遮断する「ニューノーマル(新たな基準)」現象が広がっている。トランプ米大統領が自国の国家安全保障を理由に、中国資本による米企業買収を遮断するなか、欧州、カナダ、オーストラリア、日本など世界の主要先進国も相次いで米国の政策に従う動きを見せている。

■国家安全保障を掲げ、中国の資本流入を制御
米国は「中国資本流入の遮断」を強化している。中国が海外のハイテク企業を買収した後、企業の技術を軍事部門に応用したり、買収した企業を利用して機密データを抜き出すことを懸念しているからだ。特に中国政府が主導する「中国製造2025」政策が将来の有望産業を先取りしているという懸念が、「中国資本流入の遮断」に決定打となっている。

さらに、先月トランプ大統領は外国資本による米企業の買収を審査する外国人投資審議委員会(CFIUS)の権限を拡大する内容の法案に署名し、中国資本の米企業の買収の動きがさらに難しくなると予想される。

実際に中国資本の海外投資は急減している。香港紙サウスチャイナ・モーニングポストによると、中国の対外直接投資(ODI)の規模は2016年に1961億ドルで最高値を記録した後、昨年1246億ドルに急減した。専門家らは「このような傾向は、技術部門で中国の膨大な投資に対する各国の警戒心が表現されたもの」とし「トランプ政権以降、この傾向が加速している」と分析している。

米国は今年に入って、合計数千億ドルに達する中国資本の投資提案を拒否した。今年1月、中国アリババの金融系列社アント・フィナンシャルは、米国の外国人投資審議委員会の承認を受けず、米送金会社マネーグラムの買収を断念した。3月には、トランプ大統領が国家安全保障への脅威を理由にブロードコムのクアルコム買収を禁止する行政命令を下した。中国の海南航空グループ(HNA)も5月、米ヘッジファンドのスカイブリッジ・キャピタルの買収について、米政府の承認を受けなかったとして、買収計画の中止を発表した。

米調査会社ロジウム・グループによると、今年上半期の中国企業の対米投資は18億ドルにとどまり、前年同期より90%以上減少した。

■主要先進国も警戒心高める
中国の資本力と巨大な中国国内市場のため、顔色を窺った海外の先進国も米国の歩みに歩調を合わせている。

カナダ政府は今年5月、建設大手エーコン・グループを中国交通建設に売却する契約を承認しなかった。中国の国営企業が中国政府が掌握しているため、カナダの国家安全保障に害を及ぼすおそれがあるという理由からだ。英国も7月に「国家安全保障と投資白書」を発表し、国家安全保障に関連する分野での海外企業の自国企業買収を政府が認めない権限を大幅に強化した。

サウスチャイナ・モーニングポストは、「米国と中国の貿易戦争が激化すると、中国資本による米技術企業の買収はさらに難しくなる」とし「他の先進国も以前のように簡単に中国資本の進出を許可するとは見えない」と伝えた。

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