平壌共同宣言で中国の心境が複雑? 蚊帳の外を懸念
平壌共同宣言で中国の心境が複雑? 蚊帳の外を懸念
「平壌共同宣言」の電撃発表で中国の心境が複雑になっている。
中国は今まで強調してきた殆どの平和案が平壌共同宣言に含まれていることで満足しつつも、非核化や終戦宣言など主要懸案を主導する過程で中国を蚊帳の外にする「チャイナパッシング」が深刻化される可能性があると懸念し、今後の情勢を慎重に注視するという姿勢を見せている。
19日に公開された平壌共同宣言文では中国が以前から強調してきた朝鮮半島の非核化方案や南北関係の改善、軍事的緊張緩和などの内容が盛り込まれている。中国の主要官営メディアも今回の会談結果が膠着状態に陥った米朝非核化交渉に肯定的な役割を果たすと期待を表した。
環球時報は「今回の文在寅大統領の訪朝により緊張局面だった米朝非核化交渉が再び青信号に近づいた」と伝えた。中国の専門家らも今回の「平壌共同宣言」には北朝鮮の非核化への意志が盛り込まれ、事実上南北終戦宣言と言えるほどの軍事分野での合意も引き出したと評価した。
問題は米中間の覇権争いで中国の存在感がより弱まるのではないかという点だ。
トランプ米大統領は最近、北朝鮮との非核化交渉の遅れや米朝交渉停滞の原因は中国だと指摘した。トランプ氏は、中国が北朝鮮の背後で動き、米国との交渉で優位に立とうとする「中国背後論」を提議してきた。
中国は非核化交渉や終戦宣言の過程で自国の勢力を拡大していくことを狙っている。しかし米中の関係悪化で米国のけん制は激しい一方で、今回の平壌共同宣言により「中国の仲介役」もこれ以上機能しないとみられる。そのため、今後朝鮮半島の終戦宣言など非核化への過程で中国の立場が狭くなる可能性が高い。
米中間の貿易戦争が激化している環境も中国にとっては不利な要因になっている。中国政府は貿易戦争と朝鮮半島の非核化は別の問題であるという立場。しかし、トランプ氏は中国が裏で北朝鮮を操り、北朝鮮を媒介として貿易戦争の交渉を有利に運ぼうとしていると疑っていた。
香港誌サウスチャイナ・モーニング・ポストは19日、「米国と中国の貿易戦争の激化が、北朝鮮の非核化を目指す中国の努力に影響すると予想される」と報じた。
米ナショナル・インタレスト・センターの国防研究局長ハリー・カジアニス氏は「トランプ氏は北朝鮮の非核化のため、中国の助けが必要だが、米国の関税攻撃を受けている中国としては助けたくないはずだ」とした。
その一方、中国が米中貿易交渉のため、北朝鮮の非核化問題を活用する可能性は排除できないとの観測も出ている。
翻訳:尹怡景
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