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ECB、3会合連続で金利を0.25%引き下げ 景気低迷とインフレ鈍化が背景

欧州中央銀行(ECB)は12月12日、ドイツ・フランクフルトで理事会を開催し、主要政策金利を0.25%引き下げることを決定しました。これにより、ECBは3会合連続での利下げを実施することとなります。この一連の利下げは、ユーロ圏全体で経済の低迷が続く中、インフレ率が目標水準である2%に近づいている状況を反映したものです。

今回の決定により、民間銀行がECBに資金を預ける際の金利である「預金金利」は3.25%から3.0%に引き下げられ、その他の政策金利も同様に0.25%ずつ引き下げられます。ECBがこのように連続して利下げを実施したのは、世界的な金融危機が発生した2009年以来初めてのことです。

ECBによる一連の利上げからの急速な政策転換は、昨年10%を超える水準に達していた消費者物価指数(前年比)が大幅に低下し、11月には2.3%にまで下がったことに対応したものです。インフレ率はECBが目指す2%という目標に非常に近づいており、物価の安定が見られる一方で、ユーロ圏の経済成長は停滞しています。

ECBは、景気回復の支援を目的として金利をさらに引き下げる可能性も示唆しています。特に、トランプ次期米政権が対欧州関税を強化した場合、輸出に依存する欧州経済にはさらなる逆風が吹き、景気低迷が長引く可能性があると警戒されています。そのため、来年も追加利下げが続く可能性があると予測されています。

金融政策を通じた景気刺激策は、ユーロ圏における成長の底上げを目指していますが、一部の専門家は、過度な低金利政策が銀行の収益性や金融市場の安定性に与える影響についても懸念を表明しています。今後のECBの動向は、世界経済全体に与える影響も含め、注目されるところです。

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