小売各社の動向と今後の展望
政府は3月末から入札方式で行っていた備蓄米の放出を、随意契約方式に切り替えた。もともと凶作対策として1995年から積み立ててきた備蓄米は、第一次入札で21万トンが売り出されたが、小売店への回付率は約13%にとどまり、市場への供給不足が続いた。市場価格の高騰に歯止めをかけるべく、政府は5月26日から随意契約の受付を開始し、大手小売各社が大量の備蓄米を仕入れ、店頭販売をスタートさせた。
流通大手のイオンは随意契約で2万トンを確保し、6月1日から東京都内をはじめ全国の主要店舗で5キロ袋を2138円で販売。これは現在の市場価格の約半値にあたり、初日は850人が行列を作った。イトーヨーカドーは5月31日に先行販売を開始し、5キロあたり2160円で提供。都内大森店では500袋が即日完売し、オンライン販売分3500袋も10分で売り切れた。
ドン・キホーテ運営のPPIHは1万5000トンを申し込み、同じく5キロ2139円で6月1日からMEGAドン・キホーテ大田区店で販売を開始。各社共通して原価率は約50%と採算を度外視し、集客効果と宣伝効果を狙う戦略を明らかにしている。精米工程が必要なため流通には一定の制約があるものの、各社は精米設備の確保に務めつつ、販売網を順次拡大中だ。
市場価格は2024年後半から急上昇し、昨年9月には5キロあたり3000円を超え、直近では4000円台に達している。国内需要は年間約700万トンで、今回放出された31万トンは需給バランスに対して限定的だが、小売各社の廉価販売が一時的に相場を押し下げる可能性がある。
今後の焦点は、随意契約による供給がどこまで続くか、市場流通米の価格高騰をどの程度抑えられるかにある。JA集荷率の低下や農家直売の拡大など、供給源の多様化が進む中で、政府と小売各社の連携が米価の安定化へつながるか注目される。

.jpg)











Leave a Reply