記者行方不明事件でトルコとイランが笑う…そのわけは?

記者行方不明事件でトルコとイランが笑う…そのわけは?

トルコで発生したジャーナリストの行方不明事件が中東諸国の権力構造に変化をもたらしている。今年初めまで米国、イスラエルと手を握ってイランを牽制していたサウジアラビアは、「野蛮な国」の烙印を押され、サウジアラビアと中東の覇権を争ったトルコは失踪事件を大々的に捜査し、独裁国家というイメージの払拭に成功した。イランは国際社会の圧迫から一息つけるようになった。

トランプ米大統領は18日、メディアとのインタビューで、今月2日にトルコ・イスタンブールのサウジアラビア領事館で発生したジャマル・カショギ氏の行方不明事件について「(カショギ氏が)死亡したようだ」と語った。これまでサウジアラビアを庇っていたトランプ氏だが、同日はサウジアラビアに対して「非常に過酷な対応を取る」と強く語った。

■笑うトルコとイラン
ウォール・ストリート・ジャーナルは同日、今回の事件の最大の受益者にトルコを挙げた。

改憲とクーデター鎮圧を通して独裁的な権力基盤を築いてきたトルコのエルドアン大統領は、6月の大統領選挙でも勝利し、2033年までに権力を握ることが出来た。しかし、人権弾圧疑惑で国際社会から非難を受けると同時に、米国人牧師の拘束問題で米国から経済制裁を受けた。

しかし、トルコ政府は今回の事件を積極的に活用し、サウジアラビアの野蛮な陰謀を暴いた「定義の守護者」となった。トルコ政府の関係者は、カショギ氏が行方不明になった翌日、海外記者らにカショギ氏がまだ領事館の中にいると漏らした。カショギ氏がサウジの暗殺団に殺害されたという情報を流したこともトルコの警察だった。トルコのマスコミはカショギ氏が殺害された当時の状況が録音されたファイルを入手し、大々的に報道した。

エルドアン大統領は同事件を積極的に活用した。トルコを訪れたポンペオ米国務長官と会談し、捜査協力を約束した。その代わりに経済制裁の一部解除を米国からもらった。エルドアン大統領は今月の演説で「イスラム世界をリードする唯一の国はトルコだけだ」と宣言した。

イエメン内戦介入や核開発などでサウジアラビアと米国の両方から圧力を受けてきたイランも今回の事件で一息つくことができた。

英国の有力シンクタンク国際戦略研究所の中東専門家エミール・ホカイェム氏は「今はサウジアラビアが不利な状況」とし「サウジアラビアは資本を、国内外の他の目標を達成することより、今回の事件の収拾に使わなければならない」と指摘した。

■収拾を急げるサウジアラビア
サウジ証券市場はトランプ氏のサウジ制裁の示唆に暴落し、世界の主要経済人らは23日に開幕予定のサウジアラビア国際会議「未来投資イニシアチブ」に相次いで不参加を宣言している。
国際社会の予期せぬ強い反発に驚いたサウジアラビアは事件収拾に総力を傾けているが、容易には収拾できない状況だ。

ニューヨークタイムズは18日、関係者の言葉を引用し、サウジアラビアの事実上の指導者、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子がカショギ氏の殺害事件の犯人に自身の最側近を挙げたと報じた。また無罪を主張していたサウジ政府は米国などの圧力により、内部捜査に着手。すでに容疑者4人を逮捕したことが分かった。ニューヨークタイムズによると、サウジ王室はサルマン皇太子の側近が皇太子からカショギ氏の逮捕と尋問の許可を受けたが、越権行為などでカショギ氏を殺害したというシナリオを準備している。

しかし、同シナリオで今回の事件を揉み消すことが出来てもサルマン皇太子とサウジ政権への打撃は大きとみられる。サルマン皇太子の命令があったことは明白であるからだ。特に米国では、与野党を問わず、武器輸出禁止などのサウジ制裁を主張する声が高まっている状況だ。

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