韓国ではアダルトサイトを見ることもダメ?過度な処置に不満爆発

韓国ではアダルトサイトを見ることもダメ?過度な処置に不満爆発
「アダルト動画も好きなように見られない国なんて」
「共産主義国家と何が違う」
韓国政府が違法動画の拡散根絶に向け、海外にサーバーを置くhttps セキュリティプロトコルを使用するアダルトサイトへの接続を遮断するという措置を取り、男性らの間では不満が広がっている。個人の監視に繋がるのではとの恐れも指摘される中、各アダルトサイトは今回の処置で相当なダメージを受けると予想される。
■アダルトサイトへの接続を遮断…「儒教タリバン国家だ」反発の声
政府によると韓国の警察庁や女性家族部、放送通信委員会、放送通信審議委員会は、今月19日よりDNSブロッキング方式を適用し、海外にサーバー元を置く約150のアダルトサイトへの接続を遮断している。DNSブロッキングとは、アドレスバーに入力されたサイトのドメインが違法サイトのものだと判断される場合、当該アドレスのIP(インターネットプロトコル)を警告サイトのIPへ変換し接続を遮断する方式だ。
既存のURLブロッキングではhttpを使用しているサイトへの接続を遮断することはできなかったため、DNSブロッキングを導入した。少々過剰だという議論も起こりそうだが、隠し撮りなど違法動画が氾濫する現状の深刻性を考え、例外的にDNSブロッキングを適用したと当局は説明した。併せて、https接続時に平文で流出するSNI 拡張フィールドの情報を見て遮断する法案を来年より導入する計画だ。
これには多くの韓国男性が反発姿勢を示している。「成人がアダルト動画を見て何が悪いのか、まさに儒教タリバン国家だな」「問題あるサイトではなく、なぜアダルトサイトが対象になるのか」「李明博・朴槿恵政権でもここまではしなかった」などといった反応が相次いでいる。大統領府のホームページに設置されている掲示板には「成人が思い通りにポルノを見られない独裁国家はどこですか?」というタイトルの書き込みが掲載され、1000名余りが同意を表している。
また、政府の監視に対する懸念の声も上がっている。「アダルトコンテンツの遮断は氷山の一角に過ぎず、実際はインターネット検閲による支配を目論んでいるのでは」「今後、政権交代が起きたときには、反政府勢力などの監視・統制にも利用され得る」などの意見が出ている。
■代替サイトの台頭…監視への懸念も
上に述べてきたような措置が、一定の成果をあげていることも分かっている。DNSの変更やVPNなどを通して迂回接続が可能であるにも関わらず、アダルトサイトAではアクセス数が半分以下に減少した。また今回の措置を受け、既存の会員も過去にアップロードした動画やコメントなどを削除し始めている。もちろん、Aに取って代わろうというサイトも立て続けに現れてはいるが。
警察関係者は「現行の法律では違法動画だけでなく一般のアダルトコンテンツの配布も禁じているが、該当するサイトへのアクセスは遮断するのが正しい。今後は議論を重ねなければならないが、アクセス制限は継続しなければならないだろう」と語った。
IT業界の専門家らは、政府の趣旨には賛同するとしながらも、このような措置には限界があり、民間人の監視にも繋がる恐れがあると指摘している。
IT労働組合のゲーム文化委員長であるキム・ファンミン氏は「今回の措置が暫定的なものだったとしても、アダルトサイト上に所謂リベンジポルノが掲載され、それを食い止めるための処置であったことを事前に十分説明し、世論の共感を得るべきだった。httpsの遮断に関しても合理的、かつ制限を設けた上でのみ使用できるよう法的背景を整備しなければならないが、これは裏を返せば政府が必要に応じていつでも遮断・監視を行えるということになる」と指摘した。
セキュリティ業界の関係者は「迂回接続が容易なうえ、遮断効果も長続きはしないだろう。今回の措置が悪用される可能性も高い。警察が国家情報院のように捜査目的で特定サーバーの情報を収集し監視するネットワークを構築するのが最も効果的だが、予算面での問題がある」とした。
翻訳者:M.I