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「ピースサイン」で指紋流出の恐れ…高精細カメラとAIが悪用可能に

Digital fingerprint scan with authentication active at 55% progress

スマートフォンで何気なく撮影し、SNSに投稿した「ピースサイン(Vサイン)」の自撮り写真が、個人情報流出の新たな経路になる可能性があるとの警告が出された。高解像度化したカメラと人工知能(AI)技術の組み合わせにより、指の形から指紋の一部を復元できるという専門家の分析が注目を集めている。

香港メディア「サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)」が報じたところによると、中国のリアリティ番組に出演した金融専門家の李強(リ・チャン)氏が、有名人の自撮り写真を例に指紋流出の危険性を強調した。

李氏は、指がカメラを正面に向いている場合、1.5メートル以内で撮影された自撮り写真から指紋の抽出が可能であると主張。さらに、3メートルの距離であっても、手の詳細情報の約半分を復元できるという。番組内では、画像編集ソフトとAIツールを用いて低解像度の画像を補正し、指紋の隆線(りゅうせん)が浮き彫りになる過程が実演された。

中国科学院大学の景九(ジン・ジウ)教授は「同一人物の高解像度写真が複数確保された場合、ピースサインの姿勢から手の詳細な特徴を復元できる可能性がある」と指摘している。

専門家らが最も懸念するのは、指紋は顔情報と同様に、一度流出すると変更が不可能な「永久的な生体情報」である点だ。

実際に中国浙江省杭州市では、ある男性がネット上に投稿した手の写真をもとに、何者かがスマートドアーロックの解錠を試みる事件が発生した。また、会社出入システムから収集した指紋をシリコン形態で複製し、約58万人民元(約1,200万円)を盗み出した事例も報告されている。

さらに、AIベースの動画合成技術の悪用も深刻化している。犯人グループがビデオ通話の画面から顔データを確保し、ディープフェイク(顔交換)や音声複製技術を用いて家族や知人になりすます手口が急増しているという。

番組を見た視聴者からは「今後は拳を握って(グーのポーズで)撮影する」「スマートフォンの画面に付いた指紋もこまめに拭き取らなければ」といった反応が相次いでいる。

一方で、専門家らは過度な恐怖心を持つ必要はないとも説明する。指紋の復元には照明や焦点、解像度、角度など多くの条件が揃う必要があるためだ。産業セキュリティ研究センターの裴智勇(フェイ・ジヨン)所長は「技術的に可能ではあるが、実際の犯罪に結びつくまでには極めて複雑な過程を経る必要がある」と強調する。

その上で裴氏は「疑わしいビデオ通話では画面を鵜呑みにせず、直接かけ直したり、本人しか答えられない質問をしたりして、慎重に身元を確認すべきだ」とアドバイスしている。

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