韓食の決め手は塩

韓食の決め手は塩

アンニョンハセヨ。
今回、韓国の食についてコラムを依頼され、さてどんな題材にしようか考え、韓国食にとってとても大切な食材をお伝えしようと思いました。なんだと思いますか、それは「塩」です。韓国の料理の最後の味をしめる調味料は「塩」です。

塩をひとつまみ入れることで隠れていたうま味や甘味、辛み、などがすべて出てくるのです。キムチ作りにも白菜の塩漬けが重要です。よく「美味しいキムチを作りたいのでキムチヤンニョムを教えてください」と言われますが、実は白菜の塩漬けがうまく出来るかで美味しいキムチになるかが決まるのです。

私の料理教室では、醤油やゴマ油などの調味料は、ほとんど日本の物を使っていますが、塩だけは韓国の塩を使っています。韓国の塩は100%天日塩を使います。天日塩の製法は、海水を広大な塩田などに引き入れ、太陽で時間をかけて水分を蒸発させて塩にするもので、広い土地と乾燥した風土が必要です。

以前、私も訪れたことのある韓国の1004の島から構成される全羅南道 新安郡 曽島(チュンド)にある太平塩田は、世界5大干潟の1つであり、単一の塩田としては韓国内で最大の規模を誇ります。2007年にアジアで初めてスローシティに認定され、さらに2009年ユネスコ「生物圏保存地域」に指定され場所でした。太平塩田には山の上に展望台があり、そこから眺める塩田はやはり広大なものでした。

自然の中でじっくり時間かけ乾燥させる製法で作られた貴重で上質な干潟の天日塩は、加熱処理をしないためミネラルが壊れず豊富に含まれたものとなります。人間の体にはミネラルが必要です、体内のミネラルが欠乏しバランスが崩れると体調にも影響が出てしまうのです。塩は体に悪いものとされていますが、良い物を正しく摂取することが大事なのです。

日本にも昔は、塩田があり塩が作られていたそうですが塩田で塩を作ることが法律で禁止になった歴史がありましたが、消費者の塩田復活を望む声が増え、最近になり法律が変わり海水から自由に塩を作ることができるようになったようです。精製塩には、ミネラル類は含まれていません。そのことからしても自然の力で作られる塩田のミネラル類が豊富に含まれる天日塩が求められているのだと考えられます。

韓国の塩田で塩を作る季節は5月~7月の間です。ちょうどこれからの季節ですね。でも美味しい塩は、作ってすぐのものよりも何年も熟成させたものが良いとされているのです。今年作った塩も3年、5年、10年と味が変化していくのです。昔は一般家庭でも買ってきた塩を壷に入れ数年置き水分を飛ばしてから使っていました。機会があれば韓国の塩の味や塩を使った料理を召し上がってみてください。

スローシティで心もお腹も幸せな気持ちで満たされました。帰り際に今度は違う季節の塩田を訪れたいと思うほどでした。皆さんにも是非体験していただきたい韓国の1つとしてご紹介させていただきました。カムサムニダ。

【筆者紹介】
趙善玉(チョソンオク)
韓国料理研究家。1998年、エステサロンを経営しながら、薬膳に関心を持ち、韓国と日本で薬膳の勉強をはじめる。2004年頃から雑誌の執筆などをはじめ、テレビ、イベントに多数出演。2007年には東京ドームで行なわれた「宮廷女官チャングムの誓いフェスティバル」で宮廷料理企画制作を担当した。2009年5月には東京・恵比寿に「趙善玉料理研究院」および、餅カフェ「パラム」をオープン。

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