金正恩氏のロシア訪問が可視化…なぜこの時点か

金正恩氏のロシア訪問が可視化…なぜこの時点か
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長のロシア訪問が可視化されている。2回目の米朝首脳会談後に米国との葛藤で非核化交渉が難航している中でのことだ。専門家らは、友軍である中国とロシアを背負って、国際社会に対北制裁緩和をアピールするための北朝鮮の戦略だと分析している。
■「訪露日程を調整中」
ロシアの外交担当補佐官は3日(現地時間)、「金正恩委員長をロシアに招待したいとの旨を北朝鮮側に伝えた。(ロシア訪問と関連して)スケジュールを調整していく」と述べた。
最近、北朝鮮とロシアの接触が相次いで報道されている。今月2日には、北朝鮮の警察庁長官に当たる崔富一(チェ・ブイル)人民保安相が平壌でウラジーミル・コロコリツェフ内相と会談した。コロコリツェフ内相は前日に平壌に到着し、金正恩委員長へのプレゼントも伝えたという。
また、金委員長の「執事」と言われるキム・チャンソン国務委員会部長は最近6泊7日間にわたって訪露した。キム部長はベトナム・ハノイで開かれた2回目の米朝首脳会談当時、金委員長の動線などを事前に調べた人物だ。
北朝鮮とロシアの関係は、金委員長の執権以降さらに緊密になった。2015年には最高人民会議常任委員会の金永南委員長がロシアの国家行事に参加しプーチン大統領と面談したことがある。
ロシアは、北朝鮮への食糧支援などを通じて北朝鮮との友好関係を維持している。実際に北朝鮮はロシアに10万トンの小麦粉支援を要請し、ロシアが5万トンの小麦粉支援を決定したとの報道も最近出た。
経済交流も増えている。北朝鮮の羅津・先鋒(ラジン・ソンボン)地域とロシアのウラジオストク間の2017年貿易量は前年比85.3%増加した。両国は2020年までに貿易規模を現在の10倍に拡大する計画だ。またロシアは2018年7月に3200人の北朝鮮労働者の労働許可を2019年末まで延長した。
牙山(アサン)政策研究員のシン・ボムチョル安保統一セン長は「中国のだけでは力が足りないから、ロシアを引き込んで対外関係を開拓し、他国に頼らない自力更生で経済を発展するという意志を米国に示している」とし「同時に中国に向けても、北朝鮮への支援をより積極的にせよとのメッセージを伝えることができる」と分析した。
実際に中国は、2回目の米朝首脳会談が決裂で終わった後、「対話と交渉を継続することが唯一の通路」と、米朝間の関係改善を促した。また「対等の意味で、対北朝鮮制裁を調整する必要がある」と北朝鮮の立場を代弁した。