“キッズアダルト”市場の拡大と共に増える詐欺被害…中古取引でも
“キッズアダルト”市場の拡大と共に増える詐欺被害…中古取引でも
‐増え続けるキッズアダルト族の市場規模は 1兆ウォンを突破
‐忙しいサラリーマンを狙った事例が増加
‐中古取引の多いキッズアダルト商品
‐月100件以上、1件当たり数十万ウォンの言い値で被害規模も甚大
「キッズアダルト族(英語で子どもを意味する「キッズ」と「大人」を意味する「アダルト」を合わせた造語)」が増加している。アベンジャーズをはじめマーベル作品の根強い人気、また同様のアメコミ映画を見て育った20~30代の消費能力向上が主な要因として挙げられる。
しかし市場規模が大きくなるにつれ、詐欺被害も増えているという。オンラインでの中古取引が多いという点に目を付けた詐欺師らは、購入者が代金を支払ったにも関わらず商品を送らないという手口を常習化しているのだ。
■拡大を続ける市場
韓国コンテンツ振興院などによると、韓国のキッズアダルト市場の規模は2016年に1兆ウォンを突破。2014年から毎年20%以上の成長を繰り返しながら2倍以上増加した計算になる。
大型百貨店は競うようにしてキッズアダルト売り場を設け、オンラインを中心とした中古取引も年毎にその規模を拡大している。中古取引まで含めて考えると、市場規模はこれよりさらに大きいのではないかというのが業界関係者の見方だ。
このような現象の背景にあるのは映画キャラクターのブーム、そして20~30代の消費能力向上などが主な理由として挙げられている。
あるキッズアダルト商品のメーカー代表者は、「マーベル作品のキャラクター商品の人気は20~30代を中心に高く、また他のコミックキャラクター商品に対する需要も一緒に増えている。最近はSNSメディアなどの影響も大きく、以前に比べ世間の関心も集まりやすい傾向にある」と説明した。
問題は、市場の拡大に伴って詐欺事例も多発しているということだ。中古での取引が多いという点が被害をさらに拡大させている。
フィギュアなどのキッズアダルト商品は中古取引が多く、特に希少価値の高い製品では価格が跳ね上がる。相場などあってないようなものだ。
■中古取引の弱点を見抜いた詐欺師たち
詐欺被害情報共有サイト「ザ・チート」によると昨年11月から現在まで、キッズアダルト関連の被害件数は600件近くにのぼる。月平均にして100件余りの詐欺被害が発生しているということだ。これらの商品の場合、一件当たりの販売価格が30万ウォンから100万ウォンとなることが多く、被害額の規模は件数に比べてより大きい。詐欺犯罪の定番商品はアベンジャーズの登場人物のフィギュア商品で、最小取引価格は40万ウォンからとなっている。
最近フィギュア集めに関心を持つようになったサラリーマンのパクさん(36)は、「インターネットでアイアンマンのフィギュアを購入したが、代金を支払うと連絡が途絶えた。被害届を出してから被害情報共有サイトを確認してみると、相手は詐欺の常習犯であることが分かった。日々の業務の忙しさから、よく確認もせず購入したのが間違いだった」と語った。
これと関連して、警察関係者は「商品写真を盗用し、代金を受け取った後で連絡を絶つという非常に古典的な手口。被疑者の検挙に時間がかかるだけでなく、被害金額の全額補償も難しいのが現状だ。そのため、購入者は十分に注意しなければならない」と呼びかけた。
翻訳者:M.I