韓国政府、WTOで「日本の報復」強調予定…提訴手続も

韓国政府、WTOで「日本の報復」強調予定…提訴手続も

‐23〜24日のWTO理事会の議題に…提訴状に含む根拠・証拠収集中
‐「安保友好国」除外への反論準備

日本による輸出規制措置に対し、韓国政府がWTO(世界貿易機構)を中心とした「国際世論戦」と「WTO提訴」のツートラック戦略を進めている。しかし日本による核心素材・戦略物資の輸出規制が直ちに影響を与え、韓国の産業全般に広がっている状況で、韓国政府は世論戦を除き、即座に対応出来る策を見い出せていないとの指摘もみられる。

■「日本の規制措置」がWTOで議題に
韓国産業通信資源部は15日、今月23〜24日にスイスのジェノバでのWTO一般理事会で「日本の輸出規制措置」が正式議題として取り上げられる事となり、韓国政府が国際社会に向けて発する追加の論理を構成していると発表した。

今回の一般理事会で取り上げられる議題は「WTO改革」などを含む14議題。この中のひとつが韓国政府が提案し採択された「日本の輸出制限措置に関する韓国の立場」。164ヶ国のWTO理事が参加するWTO内の最高意思決定機関である一般理事会で、韓国政府は14議題中11番目に発表する予定だ。

これに先立ち韓国政府は今月8〜9日のWTO商品貿易理事会での初の緊急案件上程にあたり「日本の輸出規制が政治的動機による不当かつ根拠の無い貿易制限措置」だとする点に焦点を置いた一方、今回は関税及び貿易に関する一般協定(GATT)11条に違反する輸出規制措置による半導体需給停滞など、世界経済に及ぼす悪影響に重点を置くとみられる。

また今月1日の日本の輸出規制措置以降、最近1〜2週の間に起こった、△日韓両国の産業当局者間の協議結果に対する日本の虚偽の主張、△日本による根拠の無い戦略物資対北制裁違反疑惑提起などに対する韓国の立場を反論に含めるとみられている。

韓国産業部の関係者は「韓国にとっては重要な事案だが、実際、世界の各国は今回の件についてよく理解していない事も事実だ。WTO協定に反する日本の措置の違法性を取り上げ、措置撤回を要求するという基本的な前提のもと、韓国の立場をWTO理事国により深く理解してもらえる様、論理を具体的に補強している」と話した。

■「日中レアアース紛争と似た事例」
国際世論戦と並行して「WTO提訴」の手続きも予定通りに進められている。現在、法律の検討中で、日本を相手にしたWTO提訴状に含める根拠と証拠を集めている。

韓国産業部の兪明希通商交渉本部長はこの日、国会の産業通信資源中小ベンチャー企業委員会で「(2010年に)日本がレアアース類の輸出を禁止した中国を相手にWTOに提訴し勝訴した件と、今回の日本の輸出規制措置の件に類似点(輸出規制制限を禁止したGATT11条違反)と相違点(中国は日本に対し関税とクォーターを賦課)がある。我々もこれを元に訴訟戦略を準備中」だと、韓国のWTO提訴に関する重要な事例になる事を示唆した。

ただし実際のWTOへの提訴の時期は数ヶ月、または1年以上先になると予想される。日本が米国やEU(ヨーロッパ連合)と共に、レアアース輸出を禁止した中国を相手にWTOに共同提訴(2012年6月)した際も、尖閣諸島における日中の船舶の衝突(2010年9月)に触発された中国の報復措置から、訴訟まで1年9ヶ月掛かっている。

韓国産業部の関係者は「WTOに公訴状を一度提出した後、内容を変更するなどのケースは棄却事由にあたる。直ちに提訴せよとの国民感情は理解出来るが、(勝訴するためにも)当初から提訴状を綿密に準備しなければならない」と話している。

また日本の戦略物資「ホワイト国家(通関手続簡素化の安保友好国)リスト 」から日米韓の同盟国である韓国を除外する法的措置を前に、韓国産業部は官民共同で公式に反論する計画だ。日本の当局は自国の法律により今月24日まで意見の収斂中だが、8月15日にホワイト国家からの除外が確定する可能性が高い。

翻訳︰水野卓

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