英国と欧州連合、新しい離脱案に劇的合意

英国と欧州連合、新しい離脱案に劇的合意
約2週後に迫った英国のEU脱退(ブレグジット)をめぐり、英国と欧州連合(EU)が劇的に新しい脱退協定に合意した。これで両側は約3年にわたる交渉を終わらせたが、まだ内部の反対を説得する作業がが残っている。
BBCなどによると、ボリス・ジョンソン英国首相とジャン・クロード・ユンケル欧州執行委員長は17日(現地時間)、ベルギー・ブリュッセルで開かれるEU首脳会談を数時間前に、新しい合意案の草案を用意した。
ジョンソン首相は自身のツイッターに「私たちは統制権を取り戻す新しいブレグジット交渉を設けることができた。これからは議会も必ず19日まで同合意案を承認し、私たちが生活費、国民保健サービス(NHS)、暴力犯罪、環境などの他の懸案に進むことができようにしなければならない」と綴った。
ユンケル委員長も同日のツイッターで「私たちは交渉に合意した。今回の合意は、両側に公正でバランスの取れた合意であり、解決策を見つけるための私たちの決意を示す証拠」とし「EU首脳に今回の合意を支持することを勧めたい」と明らかにした。
英国は今年3月の合意に基づいて、11月1日午前8時(日本時間)にEUを離脱する予定だ。EU側は、合意のない(ノディル)ブレグジットを回避するためには17日の首脳会談まで、少なくとも15日までには法的合意文が必要だと主張してきた。双方は徹夜の交渉を行ったが核心争点である英領・北アイルランドの国境問題で難航していたという。
合意内容は具体的に明らかにされなかった。英国政府は昨年11月にEUとブレグジット協定に合意したが、「安全装置」条項が問題となり激しい反発にぶつかった。安全装置は、EUと英国の物理的な境界線がある北アイルランドが、アイルランドからの経済的に分離される状況を防ぐために、今後新しい協定が締結されるまで北アイルランドをEU関税同盟に残すという条項である。ジョンソン首相は、同規定の持続時間が曖昧だとし反対してきた。
EUのバルニエ首席交渉官は新しい合意案について、4大原則を従うと説明した。交渉の結果、△北アイルランドは商品の取引を含めて制限的にEU規制に従う。△ただし英国の関税地域に含まれており、EUの関税同盟に進入する「入口」の役割をする。△双方は、EU単一市場の統一性、付加価値税に関連する英国の要求に互いに同意する。△北アイルランド代表はEUの規定に従うかどうかを、4年ごとに決定することができる。
今回の合意案はまだ草案に過ぎず、英国議会とEU首脳会議の承認が必要だ。ジョンソン首相は同合意案が17〜18日のEU首脳会談で通過する場合、19日に英国議会で批准手続きを強行するという立場。しかし、労働党をはじめとする英国の野党は、今回の合意に大きく反発している。
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