韓国大統領府「米韓合同演習中止…韓国主導の”乙支演習”も中止検討中」

韓国大統領府「米韓合同演習中止…韓国主導の”乙支演習”も中止検討中」
韓国大統領府は今年8月の米韓合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン(UFG)演習」を暫定的に中止とした決定により、韓国政府の有事対応訓練である「乙支演習」も中止となる可能性を示唆した。
韓国大統領府のキム・ウィギョン報道官は乙支演習について「中止の可能性も残されている」と語った。キム報道官は「乙支演習をどうするかは未だ決定されておらず協議中」としながらも、「フリーダムガーディアン(米韓合同演習)のように中止とするか、従来通りに実施するか、状況に合わせて対応する第3の方法を取るか、3つの内のどれかに決まるのではないかと思う」と説明した。これに先立って18日(現地時間)に米国ホワイトハウスは、北朝鮮が善意を持って行動する限り、8月に予定されている米韓合同軍事演習を中止すると発表している。
「戦争ゲーム」形式の指揮所訓練(CPX)である乙支フリーダムガーディアン(UFG)演習は国連軍司令部主管の「フォーカスレンズ演習」と韓国政府レベルの有事対応訓練である「乙支演習」(1976年に統合)の2つの軍事訓練が統合され実施されてきた。
韓国内では、北朝鮮に対する直接的な戦争ゲームだけではなく、国家非常事態に対処するための韓国政府レベルの有事対応訓練である乙支演習まで中止することは行き過ぎだという指摘も出ている。
キム報道官は「米韓合同演習中止に相応する北朝鮮の処置は何か」という質問に、「豊渓里の核実験場廃止など非核化の意思を先んじて実行して見せてくれた」とし、「非核化を進める姿勢を見せ、更に対話が維持されている限りという条件が付けられている。その2つが維持されれば軍事演習も引き続き猶予される」と答えた。また金正恩委員長の訪中関連情報があるかとの質問に対してキム報道官は、「北朝鮮と中国の状況については政府が充分に情報を得ている」と説明した。
金委員長が習近平主席と度々会っている様に思われるという見方については「目に見えるものが全てではない」とし、「南北の間でも米朝会談に対する評価、そして今後の展望について様々なチャンネルを通じて充分にコンタクトを取っている」と伝えた。南北将官級軍事会談の案件として韓国海軍哨戒艦「天安」の沈没事件が取り上げられたという報道について、「当初から考慮していない(取り上げていない)」と、「全ての協議過程において天安沈没事件が取り上げられたことはない。但し今後、南北関係が進展し軍事的な信頼度が高まれば、適切なタイミングで協議される可能性はある」と述べた。
翻訳︰水野卓