米ホワイトハウス、韓国政府の新たな対北政策に事実上「反対」の立場

-ホワイトハウス「国連加盟国の対北制裁履行を期待」
-同時に「シンガポールでの非核化の約束履行に専念」
-事実上、韓国政府の新たな対北政策に反対の意思表示
-米国内でも憂慮の声が高まっている状況

韓国政府が対北制裁の例外となる観光事業などを進めるとの考えを明らかにした事について、米ホワイトハウスの高位級関係者は現地時間15日、「国連加盟国は国連安全保障理事会の対北制裁履行を期待している」と話した。

米国営放送VOAによると16日、この関係者は「米国はドナルド・トランプ米国大統領と金正恩北朝鮮国務委員長が最終的かつ完全に検証された非核化に合意したシンガポール共同声明の履行に専念している」と、「これは同盟国である韓国も支持した目標」だと話した。

韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は現地時間14日、米国西部のサンフランシスコで米国のマイク・ポンペオ国務長官と米韓外相会談を行った後の記者との面談で「米朝関係が沈滞している中、南北関係が先に進む可能性もあり、個人の観光など制裁の例外となる事業も進められる可能性がある」と述べた。

康長官は「マイク・ポンペオ米国国務長官とこの事についていくつか意見を交わし、米国側も我々の意志と希望事項については十分に理解している状況」だと話しているが、米国が韓国政府の構想に肯定的で、支持するとの反応を見せたのかについては言及しなかった。

これは米朝対話が膠着している状況でも韓国政府が出来る事は主導して行き、南北経済協力の形をもって進展させようという韓国の文在寅大統領の考えを具体的に表したもの。しかしこの日のホワイトハウスの反応は事実上の反対だとみられる。

米朝シンガポール合意を強調したのは、米国が北朝鮮の実質的かつ先制的な非核化措置を望んでいるとの意味があり、国連加盟国の対北制裁履行を強調したのは、北朝鮮に対する最大レベルの圧力を緩めてはならないとの立場を伝えたものだとみられる。

これに先立ち米国国務部も、文大統領が今月14日に新年の記者会見で明らかにした南北境界線地域での協力や個人の観光などの案を模索する可能性を示唆した事に対し「北朝鮮に対する米国と韓国の一致した対応が必要だ」と話し、単独での動きを警戒する様子を見せた。

米国政府のみならず、米国のシンクタンクなど米国内部でも韓国政府の「南北関係改善を通じて米朝対話、制裁緩和を促す」事に対し、懐疑的な立場を明らかにしている。

国際戦略研究所のマーク・フィッツパトリック研究員は文大統領の発言に対し「現実的ではない」と指摘し、「南北間協力と米朝対話は別個のレールで動いており、互いに結び付いてはいない」と話している。

米国平和研究所のフランク・オム専任研究員も「文大統領は南北協力の影響を過大評価している」と、「現在の状況では米国も北朝鮮も共に柔軟な対応を見せてこそ進展する可能性がある訳で、この過程における韓国の役割は限定的」だと話した。

同研究員は「対北制裁免除と例外措置が南北協力拡大に至る事は事実だが、反対論理が成立する訳ではない」と、「文大統領が提示した南北境界線地域での協力やスポーツ交流はともかく、北朝鮮に相当な現金が流入する協力事業は米国が反対するだろう」と語った。

翻訳:水野卓
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