米FRB、0.25%利上げ…来年の利上げは3回から2回へ
米FRB、0.25%利上げ…来年の利上げは3回から2回へ
米FRBが19日、政策金利を0.25%引き上げた。これにより米国の政策金利は、2.25%〜2.50%に上がった。今年に入って、3、6、9月に続く、4回目の引き上げとなる。
米FRBはこの日、2日間のFOMC(連邦公開市場委員会)の会議を終え、この様な内容の政策金利引き上げ決定を発表した。金利引き上げは満場一致で決定している。
FRBは声明で、「労働市場と経済活動が引き続き強い上昇傾向を見せている」と、「労働市場の状況とインフレ傾向を根拠に、金利を引き上げる事にした」と説明している。
FRBは、今後も随時段階的に金利を引き上げる動きを維持して行くとしているが、来年からは通貨緊縮のスピードを調節すると見られる。
FRBは、来年度の金利引き上げ回数を従来の3回から2回に下方調整した。FOMC会議直後に公開されたドット・プロットでは、FOMC委員17人中11人が、来年度の金利引き上げは2回を超えてはならないとした事が分かった。
この様な調整は、低い失業率などの実体経済がしっかりとした流れを維持しており、追加緊縮を裏付けてはいるものの、金融市場に現れている通貨緩和の期待感を反映したものだと見られる。
FRBのジェローム・パウエル議長は、金利引き上げ決定後の記者会見で、「FRBは、現在の強い成長と失業率減少を予想しているものの、それが実現されなければ道程を変える可能性もある」と話している。
FRBは、再来年は従来通り1回の引き上げ予測をそのまま維持したものの、2021年は据え置きが有力との展望だ。また、今年9月には3%と見ていた長期金利を2.8%に下方修正し、2020年と2021年の金利の中間値は3.1%と見ている。
FRBは、来年の経済成長率も小幅に下方修正した。GDP(国内総生産)成長率の予想値は従来の2.5%から2.3%に引き下げた。
今回の金利引き上げは、ドナルド・トランプ大統領が前面に立って、金利引き上げを強く反対する中で決定された。
トランプ大統領は今月17、18日と2日間連続でツイッターを通じ、「ドルが強い傾向にあり、実質インフレも無いのに、FRBはまた金利を上げようとしている」、「FRBは意味の無い統計値ばかり眺めずに、市場を肌で感じろ」と、金利据え置きを促していた。
パウエル議長は会見で、「政治的な考慮は、FRBの金融政策決定において、どの様な役割も果たさない」と、「FRBの独立性は、中央銀行の働きには欠かせない」と強調した。
翻訳:水野卓