米韓首脳が電話会談…文大統領「ビッグディール」説得?

米韓首脳が電話会談…文大統領「ビッグディール」説得?
‐昨年9月以降、5か月振りの電話会談
韓国の文在寅大統領と米国のドナルド・トランプ大統領が、ベトナム・ハノイでの2回目の米朝首脳会談を8日後に控えた19日夜、ホットラインでの電話会談を通じて米朝非核化交渉のための最終調整を行った。米韓首脳間の電話会談は昨年9月以降、約5か月振りとなる。
今回の電話会談で文大統領は、トランプ大統領の米朝核交渉についての構想を直接聞き、北朝鮮の具体的な非核化措置と米国の相応措置についての妥結レベルを議論した。
一部では、米朝が完全な非核化のためのロードマップとタイムテーブルに包括的に合意し、まずは寧辺(ヨンビョン)にある核施設などの廃棄と実効的検証に注力する、「ミドル・ディール」を打ち出す可能性があるとの観測も見られる。しかし最近、トランプ大統領が速度調節論に再言及し、これより低い段階の「スモール・ディール」の可能性も提起されている。
文大統領はこの日の電話会談で、米朝が大きな進展を果たす機会だという点を強調し、トランプ大統領を説得する事に注力したと見られる。文大統領は前日、主な宗教団体の指導者らとの韓国大統領府での食事会で、「2回目の米朝首脳会談で、非核化と米朝関係正常化に”大きな進展”があると見ている」と話し、今回の米朝首脳会談が「ビッグ・ディール」を成し遂げるとの期待感を抱かせた。
ただし文大統領もまた、米朝の核交渉を進めるトランプ大統領の米国内での立場が、以前より一層厳しくなっているという点は、明確に把握していると見られる。文大統領は、この日の午後4時30分から30分間、先日米国より戻った国会韓米同盟強化使節団と、韓国大統領府本館で面会した席で、「米国も過去とは違い、徐々に政治的対立が激しくなっている。更にいまだに米国の一部では、北朝鮮に対する不信感と敵対的な視線が強く、北朝鮮の変化に対する猜疑心と懐疑論が広まっている状況だ」と話した。
一方、日本メディアは、トランプ大統領が早ければ20日にも、安倍晋三首相と電話会談を行うだろうと報じた。日本は、今回の米朝間合意が、米国本土を射程距離に置いている、ICBM(大陸間弾道ミサイル)廃棄のみを扱う「スモール・ディール」に留まった場合、日本の安全保障が依然として不安定な状況に置かれるという点を憂慮している。
翻訳:水野卓