韓国裁判所、不二越に損害賠償を命令… 控訴を棄却

韓国裁判所、不二越に損害賠償を命令… 控訴を棄却
日本植民地時代に朝鮮女子勤労挺身隊として動員され軍需企業の不二越で強制労働した被害者が2審でも勝訴した。韓国裁判所は不二越の控訴を棄却し、損害賠償を命令した。
ソウル高裁は18日、キム・ゲスン氏(90)などの朝鮮女子勤労挺身隊に動員された27人が不二越を相手に損害賠償を求めた訴訟の控訴審で「精神的苦痛による慰謝料の支払いを命じる」との1審判決を支持し、原告一部勝訴の判決を下した。高裁は原告1人あたり8千万~1億ウォン(約980万円)の損害賠償を認めた。
原告らの主張によると、1926年から1945年直後まで「学校教育が受けられる」「ミシンを教える」などの勧誘に勤労挺身隊に志願して渡日し、富山市にある不二越富山工場で軍艦や戦闘機の部品を作る作業に務めた。工場では軍隊式の訓練を受けながら、日曜日を除いて毎日10〜12時間の過酷な労働に苦しめられたという。原告らは「劣悪な寮で外出も制限されたまま、常時監視される生活だったが、給与は全く支給されなかった。その後、太平洋戦争で日本が敗戦した後になってようやく帰国することができた」と語った。
キム氏などの原告らは、2003年4月に日本で不二越と日本政府を相手に損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴訟を起こしたが、1・2審はもちろん上告審でも敗訴した。1965年に締結された日韓請求権協定が敗訴の理由だった。
しかし、韓国最高裁は2012年5月に新日本製鉄を相手取った元徴用工の訴訟で、「個人請求権が消滅したことは認められない。また日本裁判所の判決の国内効力も認められない」という結論を出し、状況が大きく変わることになった。
同裁判の2審も最高裁の判断を支持し、「日本の判決理由をそのまま受け入れることは、韓国の善良な風俗やその他の社会秩序に違反する」とし、不二越側の主張を却下した。
裁判所は「被害者の多くは当時10代前半にもかかわらず、危険な作業に従事したが、70年以上が経過した現在まで補償または賠償がなされていなかった」とし「懐柔、脅迫などの手段を動員して勤労挺身隊に志願することにした点などを顧慮すると、1審が認めた慰謝料が過多であるとは思えない」と説明した。