灰色の韓国・ソウル、最悪のPM2.5に文大統領「非常措置取る」

史上最悪の微細粉塵。5日、ソウルの超微細粉塵数値(PM2.5)は1時間当たり平均150㎍/㎥で観測史上最悪のレベルを記録した。6日にも中国発スモッグ流入により高濃度の微細粉塵が取り除かれないと予想される。右の写真は2年前の10月、国会議事堂。2年前までは鮮明に見えた空は、6日の写真では灰色のほこりで全く見えない。
灰色の韓国・ソウル、最悪のPM2.5に文大統領「非常措置取る」
-環境部長官から緊急報告受ける
-空気清浄機への財政支援など指示
韓国の文在寅大統領は、連日猛威を振るう最悪のPM2.5への対応策について、「非常時には非常措置を取る事が政府の責務」だと強調した。
文大統領は5日夜、趙明來(チョ・ミョンレ)環境部長官から、PM2.5への対応策に関する緊急報告を受け、上記の様に指示したと、韓国大統領府の金宜謙(キム・ウィギョン)報道官が書面でのブリーフィングを通じて発表した。
報告は、文在寅大統領が慶尚南道昌原市鎮海で開かれた海軍士官学校第73期士官生徒の卒業及び任官式に参列し、執務室に戻った後、50分間に渡って行われた。
文大統領は、「国民の要求が爆発的に広まった際には、政府は長期的な対応策に留まらず、直ちに要求に応えなければならない」と、保育園、幼稚園、学校などに、「大型空気清浄機」を設置するための財政支援などを指示した。
文大統領は、「保育園、幼稚園、学校に空気清浄機が設置されてはいるものの、サイズが小さく、役に立っていない所が多い」と、「大型の空気清浄機を直ちに設置出来る様、空気清浄機の設置に財政的支援を行える対応策を講じる」と強調した。更に「PM2.5対策は、環境部のみの力では難しい案件であり、全ての部署の協力を引き出せる様、大統領と総理の力を積極的に利用する」事を指示した。
趙長官はこの日、「PM2.5低減のため、政府が出来る全ての措置を取る予定」だと、車両運行制限、石炭火力発電の上限制約、PM2.5排出施設の稼働時間調整などの履行状況の点検計画を報告した。また、撒水車の運行拡大など、直ちに取り掛かれる緊急措置の方針も伝えた。
翻訳︰水野卓
【大気汚染に悩む韓国】