米中貿易交渉最終局面で亀裂…トランプ大統領の関税挑発に中国市場6%暴落

米中貿易交渉最終局面で亀裂…トランプ大統領の関税挑発に中国市場6%暴落
-貿易交渉を前に亀裂…トランプ大統領「関税率25%に引き上げる」
-中国、高位級交渉中止も視野に…吉報待つアジア市場に動揺
最終交渉を前にしたこの時点で、米中貿易交渉に突如亀裂が生じ、最大のヤマ場を迎えている。米国のドナルド・トランプ大統領が突如、追加の関税率引き上げと関税賦課の圧力を掛けた事で、貿易交渉のテーブルはひっくり返されたも同然の状態だ。中国もトランプ大統領の圧力に反発し、8日に予定されている貿易交渉を中止する案を検討中。この事がきっかけとなり、中国の主な株式市場はこの日、暴落を免れる事は出来なかった。貿易交渉の機会が無くなり、追加の関税が全面的に課された場合、世界経済にも動揺を引き起こす事が憂慮される。
トランプ大統領は5日、「この10ヶ月の間、中国は500億ドル相当のハイテク製品に25%、そして2000億ドル規模の他の品目には10%の関税を、米国に支払って来た」と、「今週の金曜日には、10%が25%に上がるだろう」とのツイートを投稿した。これは、米国が昨年9月に2000億ドル規模の中国産輸入品に賦課した10%の関税を、10%から25%に引き上げる事を意味する。この案が実際に実行されると、総額で2500億ドル相当の中国製品に25%の関税が賦課される事になる。
またトランプ大統領は、「中国が私達に送る3250億ドルの追加品目に関しては、税金が賦課されなかったが、すぐに25%が賦課されるだろう」と話し、中国産製品に対する追加関税賦課の可能性にも言及した。この金額も合わせれば、総額5750億ドル規模の中国産製品に、25%の高率関税が賦課される。トランプ大統領は、「中国との貿易交渉が続けられてはいるが、彼らの再交渉への試みによって、かなり遅く進められている。ダメだ(NO!)」と強い不満を表している。
トランプ大統領の激しい圧力に、中国も米国との貿易交渉中止を検討しているとの報道も出た。ウォール・ストリート・ジャーナルは消息筋の言葉として、トランプ大統領がこの日、中国との貿易交渉の進行状況に不満を表し、ツイッターで関税賦課の計画を明らかにした事で、多数の中国政府関係者が驚き、8日に米国ワシントンで再開される貿易交渉の中止を検討中であると報じた。この人物は、「中国は頭に銃を突きつけられた状態では交渉をしないだろう」と、貿易交渉中止の可能性をほのめかした。
貿易交渉が突如破局に向かった事で、8日の両国による高位級貿易交渉開催が最大のヤマ場になるとみられる。先週、米国の貿易代表団が中国の北京を訪問したのに続き、今週には劉鶴中国副総理率いる中国代表団がワシントンを訪問、米国と貿易問題に関する交渉を行う予定だ。今週の高位級交渉で最終案を導き出した後、今月末または来月初に米中首脳会談を経て、最終合意文に署名するとの案が有力視されていた。一部では、トランプ大統領が最終交渉の主導権を掌握するために布石を打ったとの見方もある。
一方、中国上海総合指数はこの日午前の終値から5.58%下落した2906.46で取引を終えた。深セン総合指数も午前の終値から6.15%下げた9079.74を記録した。中国人民元は1ドル6.77元を記録し、3ヶ月半振りの元安となった。
翻訳︰水野卓
【米中貿易摩擦】