WHOの警告…「来週には新型コロナ患者1000万人」

WHO(世界保健機構)が新型コロナウイルスの感染拡大はまだ進行中であり、来週には全世界の患者数が1000万人に達すると警告した。また、特に米国やブラジルを含む南北アメリカ大陸全域が危険であり、各国政府は積極的に検査規模を拡大すべきだと主張した。
AFP通信などの海外メディアによると、WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェソス事務総長は現地時間24日、スイスのジュネーブにあるWHO本部でオンライン・ブリーフィングを開き、この様に話した。米ジョンズ・ホプキンズ大学によると、この日までに世界の新型コロナウイルスの感染者と死亡者はそれぞれ940万7078人、48万2162人となっている。
■感染拡大止まらず、酸素発生器不足
テドロス事務総長はブリーフィングで「新型コロナウイルス感染症の最初の発生当時、WHOに報告された新規患者は1ヶ月で1万人にも至らなかったが、先月は約400万人の新規感染者が発生した」と話した。また「我々は来週中に総感染者数が1000万人に至ると予想している」と憂慮した。
更に「我々が引き続きワクチンや治療薬を研究するのはもちろん、我々は感染を防ぎ、生命を救うため、持っている手段を用いて、全ての事をしなければならない、差し迫った問題に対する責任がある」と伝えた。
ブリーフィングに同席したWHOのマイク・ライアン緊急準備対応事務総長は、北米と南米を含むアメリカ大陸全体が危ういと警告した。同氏は「感染拡大は特に中米と南米で集中的に発生している」と、「先週、多くの国家で新規感染者の増加率が25〜50%に達した」と話した。
また「不幸にもアメリカ大陸の多くの国家にとって世界的大流行(パンデミック)の状況は、まだピークに達していない」と、「今後数週間、新規感染と死亡の件数が高止まりするだろう」とみている。更に「この様な状況を避けるためには、新型コロナウイルスの検査能力を高めるべく、かなり積極的な投資が必要だ」と、「被害の数字は対応に掛かっている」と述べた。
これについてテドロス事務総長は「世界的に重症患者のための酸素発生器の供給が急がれる」と話した。また「多くの国家が酸素発生器の確保に苦労しており、生産量の約80%が少数の企業から販売されている。現在の需要は供給を超えている」と述べた。更に「今後、1週間あたり100万人の新規患者が予想され、世界的に毎日6億2000万リットルの酸素が必要になる」とも話している。
■アメリカ大陸での感染再拡大に緊張
感染者(238万452人)が最も多い米国では、WHOの憂慮が現実のものとなっている。ブリーフィング当日の米国の1日の新規感染者は約3万6000人で、今年4月のピークを超え、過去最多を記録した。米ワシントン大学保健指標評価研究所(IHME)は24日の発表で、米国の新型コロナウイルス感染症による死亡者が今年10月1日までに18万人に上る可能性もあると報告した。発表当日の総死亡者数は12万1969人だった。IHMEによると死亡者の数が僅か4ヶ月の間に6万人増加するとの予測だ。
AP通信は同日、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のデータを引用し、今月7日基準での新型コロナウイルス感染症患者のうち、18〜49才の比重が人口10万人あたり43.9人で、50〜64才(34人)や65才以上(28.3人)より多かったと報じた。同社は社会的隔離の緩和以降に青年層の感染が増加したと、新型コロナウイルス感染症はもはや老人らの専有物ではないと警告している。
新型コロナウイルス感染症は南米でも猛威を奮っいている。ブラジル保健省は24日の発表で、感染者数は前日より4万2725人増加した118万8631人だと発表した。これは米国に続き世界で2番目に多い。ブラジルの新規感染者は先週末まで1万人台だったが、22日から大きく増加している。
翻訳:水野卓