米朝、威嚇vs圧力の闘い…冷却期間長期化?

米朝、威嚇vs圧力の闘い…冷却期間長期化?
‐北朝鮮、東倉里での核実験疑惑浮上
‐トランプ大統領「核実験が事実ならば大きな失望」
‐「韓国政府が米朝間の仲裁者的役割を果たすべき」
2回目の米朝首脳会談決裂以降、米朝関係が急速に冷え込んでいる。会談が決裂した直後までは、米国のドナルド・トランプ大統領も感情的な対立は無かったとの点を強調し、北朝鮮側と金正恩国務委員長に配慮はしていた。
しかし最近、北朝鮮がミサイル発射実験を準備しているらしき様子が確認され、状況は一変した。米国は制裁強化にまで言及している。一部では、適切な仲裁が行われない限り、米朝関係の冷却期間は長期化するだろうとの憂慮の声が高まっている。
■トランプ大統領「金正恩委員長に大きく失望」
トランプ大統領は6日、北朝鮮の東倉里にあるミサイル発射場が、復旧されつつあるとの報道について、「万が一、その様な事が起きたのならば、とても残念な事」だと、「(報道が正しいなら)金正恩委員長に大きく、大きく失望する」と話した。
米国のシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)は、「ハノイ会談の後、西海ミサイル発射台が再建されている」と、「3月2日に撮影した商業用衛星の画像は、北朝鮮が西海長距離ロケット基地を再建している事を見せてくれた」と伝えた。
チェ・ヒョンス国防部報道官も7日、国防部の定例ブリーフィングの席で、「東倉里と山陰洞研究団地を含む、北朝鮮の核・ミサイル施設について、鋭意注視している」と話した。
万が一、東倉里のミサイル発射場復旧が事実ならば、北朝鮮の意図的な動きである可能性が高い。ICBM(大陸間弾道ミサイル)関連施設である東倉里の動向も外部に露出させ、米国の前向きな姿勢を引き出そうという意図との分析もある。
峨山政策研究院のシン・ボンチョル安保統一センター長は、「北朝鮮は米国を動揺させるため、核兵器を製造する行程を敢えて見せている」と、「米国の安全保障に脅威を与え、米国世論がトランプ大統領に向けて問題解決を要求する、その様な状況下で再交渉に臨むのだろう」と分析した。
■米国、制裁緩和の可能性
北朝鮮の動きに、米国も強硬な対応を示唆している。米国は2回目の米朝首脳会談で、北朝鮮が確実な非核化措置を取る事を要求した。
対北強硬派に属する、米ホワイトハウスのジョン・ボルトン補佐官は、最近あるインタビューで、「北朝鮮が核兵器を放棄しなければ、制裁を強化する方法を検討する」と強く警告した。
特に北朝鮮がここ最近の東倉里の動向などを元に、今後直接的な挑発に向けた更なる動きを見せれば、米国は制裁をより強化すると、圧力レベルを引き上げている。
この様な中、韓国政府の米朝対話再開に向けた動きも目立ち始めている。
外交部の李度勳(イ・ドフン)韓半島平和交渉本部長は米国に飛び、スティーブン・ビーガン米国国務部対北特別代表と面会、2回目の米朝首脳会談について、詳細な内容と評価を共有し、今後の対応策を議論した。康京和(カン・ギョンファ)外交部長官と、マイク・ポンペオ米国務長官との会談も、今月中に行われる予定だ。
趙成烈(チョ・ソンリョル)前・国家安保戦略研究院首席研究委員は、「韓国政府は米国と対話して仲裁案をまとめ、その案を北朝鮮に伝えて折衷案を作り出す、米朝間の仲裁者的役割を引け受けなければならない」と、「開城工業団地や金剛山観光の様な南北協力事業は、準備はするが、後々に進める事にしても遅くはないだろう」と話している。
翻訳︰水野卓
【揺れる米朝関係】