「金持ちがレーザー発射?」…陰謀論者の餌食となった「ハワイ」

(写真は旧ツイッターのXに投稿されているイメージ)
−「ハワイ攻撃」フェイク動画拡散
米国ハワイのマウイ島で発生した「100年で最悪の山火事」が陰謀論者らの餌食となっている。
AP通信や英国インディペンデントなどによると現地時間17日、旧ツイッターのX、TikTokなどのSNSでは「焼け野原になった土地を買い占め、リゾート開発などで大金を稼ごうとする富裕層が指向性エネルギー兵器(DEW)で攻撃した」、「政治的な意図がある」などの突拍子もない主張が、創作された動画と共に拡散されている。
これらの投稿は、「不動産開発で大金を稼ぎたい富裕層が意図的にハワイを攻撃した」と、住宅は全て燃えたにも関わらず、木や森は無事である写真などを証拠として上げている。しかしこれらの写真や動画は、別の場所で起きた災害現場の写真などを編集したものであることが分かっている。
例えば、2019年5月の「スペースX」による「ファルコン9」発射時の映像を編集し、これがマウイ島へのDEW攻撃だと主張する投稿だ。また、今年初めにチリで起こった変圧器爆発の映像を使い、光線が山火事を引き起こしたと主張する投稿もみられる。AP通信は専門家の言葉として「DEWは赤外線であり、裸眼で見ることは出来ない」と、「創作された動画に惑わされないで欲しい」と、報じている。
一方、目撃者のインタビューや映像、衛星写真などによると、今回のマウイ島の山火事は電線がショートしたことにより発生したとみられている。
翻訳:水野卓
Copyright ©The financialnewsjapan. All rights reserved.