金正恩氏、政治局会議招集…「射殺事件」に言及無し

−政治局会議開催もコロナ関連の議題ばかり
−「党創建日」10月10日を前に組織分野など再点検
北朝鮮の金正恩国務委員長が朝鮮労働党の政治局会議を開催したが、韓国海洋水産部公務員射殺事件に関する言及は一切無かった。
会議では新型コロナウイルス感染症の緊急防疫強化問題が集中的に話し合われた。
朝鮮労働党の機関紙である労働新聞は今月29日、金委員長主催で開かれた政治局会議で、新型コロナウイルス感染症の緊急防疫問題を国家的レベルで深く研究・討議したと報じている。
今回の会議では、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための事業で表面化した一連の問題点が指摘された。
同紙は「防疫部門での驕りと放心、無責任感と緩慢さを徹底的に警戒し、我々のやり方で、我々の知恵で、防疫対策を更に徹底して講究し、大衆的な防疫の雰囲気、全人民的な自覚的一致を更に高め、鋼鉄の様な防疫体系と秩序をしっかりと堅持しなければならない」と伝えている。
新型コロナウイルスへの対応以外に、会議では来たる10月10日の党創建75周年を前にした党−国家事業や災害復旧の現況についての点検、組織的な問題も論議された。
しかし金委員長は、今月22日の北朝鮮軍兵士による韓国の非武装公務員射殺事件については言及しなかった。
北朝鮮側は25日に統一戦線部名義の謝罪文を発表しているため、これ以上の言及自体を避けたのだとみられる。
北朝鮮が謝罪文を通じて明らかにした当時の事件の進行状況と、韓国軍当局が把握している事件の経緯との間には相当な部分で違いがみられる。
特に被害者が越北の意思を実際に明らかにしていたのか、被害者の死体を上部の指示を受けた現場の北朝鮮軍が焼却したのかなどが主な争点。北朝鮮はこれらについて言及せず、事態をやり過ごす方針だとみられる。
翻訳:水野卓
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