ムーディーズ、世界自動車市場の見通しを下方修正

ムーディーズ、世界自動車市場の見通しを下方修正
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが乗用車とトラックの需要の弱体化を理由に、今年の世界自動車市場の見通しを「安定」から「否定的」に下方修正した。
ムーディーズは8日(現地時間)、研究報告書を公開し、世界自動車の販売増加率の予測値を当初の1.2%から0.5%に下方修正した。来年度は0.8%増えると予想した。下方修正の理由については、世界経済の成長鈍化とともに、昨年予想外に良好だった自動車販売が今年には不振を見せていることを挙げた。特に軽自動車の場合は、昨年の半分になると予想している。
米国市場では利上げの影響で、今年の自動車販売量が昨年より3%近く減少し、来年には0.6%増にとどまると予想した。専門家らは、今年の米国内自動車販売規模が2014年以来初めて1700万台に満たないと見ている。
さらに米政府の輸入車への関税賦課動きとイギリスの欧州連合離脱(ブレグジット)も自動車販売にリスクとして作用する可能性が高まっていると指摘している。
特にいわゆる「ノーディール・ブレックシート」が予定通り進められば、EUが英国の自動車に輸入関税10%を課すことになり、英自動車業界の大きな打撃は必至とムーディーズは警告した。昨年、英国で生産された自動車の80%が輸出され、このうち半分がEUに売られた。