ソフトバンク、米Tモバイル株200億ドル分を売却か

-WSJ、売却は過去最大規模の株式取引
-アリババ共同創業者ジャック・マー氏は取締役辞任

ソフトバンクが所有する米Tモバイルの株式200億ドル(約2兆1564億円)分の売却を進めている。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は現地時間18日、ソフトバンクによるTモバイル株の売却は過去最大規模の株式取引になると報じた。

米国3位の移動通信社Tモバイルがスプリントと合併した事で、ソフトバンクはTモバイル株の25%を保有している。

同紙が入手したソフトバンクの計画によると、Tモバイル株を親企業であるドイツテレコムが買い入れて保有株式比率を現在の44%から50%以上に高め、ソフトバンクが株式を数年間売却出来ないとの制約から解放される様にするとの事。

しかしソフトバンクがTモバイル株を売却するという保証は無く、買い入れる投資家がどれだけいるかも不透明だと伝えられている。

新型コロナウイルス感染拡大による市場の不安にも、S&P500指数は3月に底値を打った後、30%反騰した状態。先週、米国ピッツバーグに本社を置くPNCファイナンシャル・サービスは保有していた資産運用会社ブラックロックの株式130億ドル(約1兆4000億円)相当を売却している。

ソフトバンクの昨年の営業損失は1兆3600億円で創業以来最悪を記録した。同社のビジョンファンドも昨年3月決算となる会計年度で1兆9000億円の営業損失となっている。

ブルームバーグ社はソフトバンクのビジョンファンドが投資したスタートアップ(創業初期企業)の内、約15社が破産し、15社が生き残るだろうと報じた。

昨年、ソフトバンクの取締役が続々と辞任したのに続き、この日はアリババの共同創業者ジャック・マー氏も取締役辞任を発表した事で、今後、孫正義会長を牽制出来る社外取締役がいなくなる事が懸念されると、東海東京調査センターのアナリスト石野雅彦氏が指摘している。

2001年のドットコムバブル崩壊当時、700億ドル(約7兆5451億円)の損失を被った孫会長は、今回のコロナ禍は当時と比べれば何でもないとの立場で、財務諸表もしっかりしており、資産も数十億ドル保有していると主張している。

ブルームバーグ社は、孫会長がスタートアップ投資に自身の資産を投入してでも続けるとの見方だ。孫会長は今回のコロナ禍を契機にカーシェアリングからAI(人工知能)に至るハイテク企業が生き残り、今後頭角を表して行くとみている。

早稲田大学経営学部の池上重輔教授は孫会長が「最悪のシナリオでもソフトバンクを決して沈没させられない」と話した。

翻訳:水野卓
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