幕を下ろした米弾劾政局…免罪符得たトランプ氏は「再選の道」へ

‐共和党優位の上院で造反なく
‐ボルトン前補佐官の証人採択案否決
‐権力乱用、議会妨害ともに無罪
‐ペロシ議長「何の価値もない結果」
‐民主党「公正でない」…反撃準備

「ウクライナ・スキャンダル」から始まったドナルド・トランプ米国大統領に対する弾劾案が現地時間5日、米議会上院で評決を開始してから僅か30分で否決された。これにより今年11月3日の大統領選を前にしたトランプ大統領は、約4ヶ月振りに弾劾の呪縛から逃れ、再選への道に大きな後押しを得た事になる。

一方、無理な弾劾調査を進めたという批判に直面した民主党は、ウクライナ・スキャンダルに対する調査を続ける事で、トランプ大統領の再選を防ぐべく、攻勢に打って出るとみられる。

■免罪符を得たトランプ氏、再選へ弾み

ニューヨーク・タイムズ(NYT)などの海外メディアによると、米上院はトランプ大統領に対する権力乱用の容疑に52対48、議会妨害の容疑に53対47とそれぞれに無罪評決を下した。

2つの容疑の内のひとつでも認定されれば、トランプ大統領はマイク・ペンス副大統領に大統領の座を渡さなければならなかったが、ともに無罪となった事でその地位を守った。

民主党は昨年12月、トランプ大統領の潜在的な大統領選のライバルであるジョー・バイデン元副大統領親子に対する捜査をウクライナに要請したという理由で弾劾案を提出、これが下院を通過していた。

しかし今回の弾劾案否決は先週すでに予告されていた。当初、与党である共和党が多数を占める米上院で弾劾案の最終通過は難しいとの見方が優勢だったが、上院での弾劾審理終盤にトランプ大統領がウクライナに対する軍事援助の過程で、ジョー・バイデン元副大統領の捜査への協力を求めたという爆弾証言を含むジョン・ボルトン元国家安全保障問題担当大統領補佐官の回顧録の内容が一部公開され、ボルトン元補佐官の証人召喚が「スモーキング・ガン(動かぬ証拠)」として浮上していた。

しかし今年1月31日に上院の共和党議員らは一致団結してボルトン元補佐官の証人採択案を否決し、続く5日の最終評決でも党の方針に従って弾劾政局を速やかに終わらせた。最終評決で弾劾案に賛成した共和党議員は、ユタ州選出のミット・ロムニー上院議員のみだった。

上院での評決以降、トランプ大統領の選挙対策本部は声明を出し「何もしていない民主党議員らはトランプ氏に勝てない事が分かっているため、氏を弾劾しなければならなかった」と、弾劾は民主党のキャンペーン戦略でしかないと批判した。また「トランプ大統領は無罪である事を完全に立証した。今は国政に戻る時間」だと伝えている。

弾劾政局が幕を下ろした事で、トランプ大統領は6日正午に弾劾無罪についての声明を発表し、再選へ向けての歩みに更に拍車をかけるとみられる。トランプ大統領はこの日、ツイッターで「私は弾劾詐欺に対する我々の勝利を伝えるべく、明日公開声明を発表する」と伝えた。

■民主党、反トランプ陣営として再反撃

今回の弾劾審判はトランプ大統領の勝利で終わったものの、海外メディアは米国内の激しい国論分裂を招いたとの評価。ガーディアン紙は共和党と民主党が大統領選まで泥仕合を繰り広げるだろうと評している。

前日のアイオワ党員集会で結果発表が遅れるという惨事に見舞われた民主党は、今回の弾劾審判での惨敗が逆風となり、一転危機に陥った。NYTは「今回の弾劾の結果により、民主党が無理な弾劾調査を進めたのではないかという疑念を抱かれた」と、「今年11月の大統領選を前に、保守的な地域ではむしろ痛手となる政治的窮地に立たされた」との評価だ。

しかしながら民主党は「ポスト弾劾」政局で、むしろ上院の評決結果自体が「公正でない」という世論を形成して今回の危機を打開する方針である事が分かった。

弾劾政局を主導して来たナンシー・ペロシ下院議長は「今回の評決結果は何の価値もない結果」だと、「トランプ大統領は米国民主主義を引き続き脅かしており、上院の共和党議員らは無法を一般化させた」と批判している。

一方、ジェロルド・ナドラー下院司法委員会議長はCNNとのインタビューで「下院が直にボルトン氏に召喚状を発布するだろう」と、ボルトン元補佐官を足掛かりにして民主党の攻勢が続く可能性を示唆した。

AP通信は「弾劾は終わったが、ウクライナ問題は未だ終結には程遠い」と、「大統領選期間の間は新たな証拠資料や証人がトランプ大統領を苦しめるだろう」と予想した。

翻訳:水野卓
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