米中、1次貿易合意の履行再確認…中国は合意の履行が課題

今月15日に延期が決まった第1段階貿易合意の履行状況点検会議再開
米シンクタンク、「6月基準で中国の輸入規模は47%程度」

国と中国は25日、第1段階貿易合意の誠実な履行を再度確認した。これにより第1段階貿易合意の破棄論争はひとまず落ち着いたとみられる。しかし中国には合意の履行という課題が残されている。

国官営新華社通信と中国中央電視台(CCTV)によると、この日の午前、劉鶴中国副総理はスティーブン・ムニューシン米財務長官、ロバート・ライトハイザー米国通商代表部(USTR)代表と電話会談し、第1段階貿易合意の履行意志に対するコンセンサスを形成した。

また両国代表が電話でマクロ経済政策の協力強化や、第1段階貿易合意の履行などの問題について、建設的な対話を交わした事が分かった。更に米中貿易交渉第1段階合意の履行を続けるため、条件と雰囲気の醸成に合意したとも報じている。

1段階貿易合意の履行状況点検のための高位級会議は、今月15日に開かれるとみられていたが、突如延期されていた。更に3日後にドナルド・トランプ大統領が「今は中国と対話をしたくない」との意を明らかにした事で、第1段階貿易合意が守られないとの見方も浮上していた。

しかし両国貿易交渉代表団の電話会談により、第1段階貿易合意の破棄は、当面の間は表に出て来ないとみられる。第1段階貿易合意は、トランプ大統領が打ち出した経済実績の内のひとつでもある。

一方、中国は合意の履行を迫られる事となった。米国と約2年に渡り貿易戦争を繰り広げた中国は、今年1月の第1段階貿易合意で今後2年間、米国製品の輸入を2017年より2000億ドル(約212000億円)増やす事を約束している。

しかしここまでの履行水準は米国の期待に及んでいない。米シンクタンクのピーターソン国際経済研究所(PIIE)は、中国が今年6月までに輸入した米国産製品の規模は333億ドルで、今年の目標値の47%程度だと推定している。トランプ大統領の支持層が多い農産物やエネルギー製品の場合、中国の輸入額はそれぞれ9.3%(第1四半期基準)と8%(15月)に留まっている。

国は国内での新型コロナウイルス感染拡大が収まった事で、本格的な景気回復に向かってはいるものの、残りの目標値を下半期に全て達成する事が出来るかは不明。新型コロナウイルスの感染再拡大への憂慮もあり、更に中国は南部地域の洪水で莫大な経済的被害を被っている。今年、中国の社債の債務不履行規模が過去最大規模になるかもしれないと憂慮する声もある。

両国は今年115に第1段階貿易合意に署名し、2月から施行となった。合意書には6ヶ月ごとに最高位級の会談を開き、履行状況を点検する事が定められている。

1段階貿易合意の破棄論争が再び浮上する可能性もある。米国による全方位的な圧力が続けば、中国が「破棄」という極端な選択を取る可能性もあるという事だ。

香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は今月初旬、中国政府顧問の言葉として「第1段階貿易合意の存続は中国だけでなく、米国の行動にも掛かっている」と、「万が一、現在の状況で米国が引き続き中国に圧力を加えと、中国は第1段階貿易合意の破棄も選択する可能性もある」と警告した。

国内でも第1段階貿易合意への揺さぶりが続いている。米民主党次期大統領選候補ジョー・バイデン元副大統領は「第1段階貿易合意は失敗している。曖昧で弱く、繰り返される中国の約束で埋め尽くされている」と、トランプ大統領を批判している。

翻訳:水野卓

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